在フィリピン邦人に現地の遺伝子組み換え表示について聞いてみた

今、私がお世話になっている、セブ島情報誌を現地で発行しているセブポットの代表Sさんに、フィリピン・セブ島での国産・輸入品表示と、遺伝子組み換え食品(GMO)表示について尋ねた。

Sさんは在セブ8年、30代前半の女性で、ご主人と2歳の女の子がいる。
5年前から現地でセブポットを立ち上げ、現地情報提供やビザ取得代行等々対日本人のさまざまなサービス業務を行っておられる。大阪出身の気さくな方で、美人なうえデキルママってすご〜い!

で、肝心の回答は以下、

『ご質問の件ですが、国産か輸入かの表示は見たことがないですね。GMOについては、私も結構食品表示を見るのですが、輸入商品については(例えばシリアルとか、缶製品とか)書いてあるものも見たことはありますが、フィリピンの商品については記憶にありません。多分、表示規制がないんだと思います。
そういう意味では、こちらのほうが農薬を多く使っている場合もあるし、気をつけて食べるもしくは選んで食べるというのが日本より難しいでしょうね。
こちらのモールで日曜日にオーガニック市みたいのをやっている所があるのでそういう場所や、輸入食材店でオーガニックの野菜を扱っていたり、フェアトレードのショップを利用したりなど、工夫が必要かと思います』

とのことだった。

私も先月現地へ行ったが、スーパーをざざっと見てきた範囲では表示についての記憶がなかったので、おそらくそんなところだろうと思ってはいたが、やはりそうだった。
フィリピンはアジアではいち早く、2002年に“(悪魔の企業)モンサント社”の害虫抵抗性トウモロコシを商業栽培用の作物として初認可した経緯があるが、輸入も含め品目数は日本程度ではないだろうか。

セブポット誌にオーガニック市のことが書いてあったのは前から気になっていた。先月は行けなかったので引っ越したら行ってみよう。あと青空市みたいなのもあるので、そういう所なら地元産のものが買えると思う。面倒くさいが食品選別の旅は生涯続くことを覚悟しよう。放射能汚染が省かれるだけでも随分ラクにはなる。

とにかく現地の気候に合っていない作物、例えばレタス・にんじん・キャベツ・いも等は輸入かハウス栽培なんかの可能性が高いし、価格も高いし、美味しくなさそうなのでなるべく避けたい。
セブポットの男性Uさんも、“スーパーでは現地野菜を買ったほうがいい。安いし、無農薬栽培のも多いし、美味しい”と言っていた。
もう一人、USP語学学校の志保さんにも本件について尋ねているのでそのご意見も待ちたい。

フィリピンは後進国なので、食品への意識は発展途上のころの日本のように、アメリカンでジャンクなものも無防備にガンガン飲食しがちではないかと思う。ジョリビーというフィリピン発のファストフードチェーンが幅を利かせており、フィリピンはマクドナルドが世界で唯一(ファストフードの)シェアNO.1を取れない国なのだそうだ。ジョリビー恐るべし。

結局、安全な食への意識が高まってくるのは周り回って先進国になってから、なのだろう。
ただ、フィリピンは自国の原発建設中にスリーマイルとチェルノブイリ事故が起こったことで、そのまま原発を凍結させた経緯があるので、その民度みたいなものは評価したい。食品モラルとは全然関係ないかもしれないが……。
あと、今日は在米邦人で世界情勢に関していろいろな警告を発している人からもメールのお返事が来て“フィリピン、心配したらきりがないですが、津波や火山噴火に気を付けてくださいね”と書かれていた。