来るべきサバイバルに向けて

最近はもう、移住先での生活シミュレーション、また、将来起こるであろう前代未聞のかん難に備えてサバイバル道具揃えようとか、そういう“先の話”が焦点となっている。
政府や官僚や東電、経団連や銀行などなどの悪業は、その都度見過ごしてはいけないし、抵抗し抗議していかないといけないが、そこにとどまらず同時進行で自分や家族のこれからのことを考え、準備していかなければいけない時期にきているだろう。

東京に住んでいて大丈夫なのか?とか、うちのあたりは今どのくらいの汚染度なのか?とかいう細かい数字的なものはもうそれほど気に留めていない。元々ピンとこない単位での放射能測定や換算は苦手だった。暗算がおっくうになったのは放射能で脳がやられているせいかもしれないが。

今でもう9カ月も被曝している。毎日毎日、富める人にも貧しい人にも善人にも悪人にも等しく降り続けている福一からの放射性物質。この先少なくとも100年は止まることがない。この年末年始や来春辺りは関東の人達にとっても転換期ではないだろうか。避難を決意する人もぽろぽろ増えてきているように思う。だから、移住に関することや、この先のかん難に備える知識などが、移住を決めている人にも決めかねている人にも必要になってくることだろう。

東京都の人口も、福島他東北地方から数千人が流入しているにもかかわらず、6月以降減り続けていることがデータではっきり分かった。一方で、九州や沖縄の流入人口がとても増えている。住民票を移していない人を含めれば実際は発表データよりもっと多いはずだ。

政府や東電の人達が悔い改めることはないし、また、悔い改めたところで被曝した国民の身体は元には戻らない。仮に賠償金をもらえたとしても、何の解決にもならないのだ。政府・自治体・東電など誰かが何とかしてくれるのを期待するのはもうやめて、これからの自分たちのことを考えるほうがいい。そのほうが夢があっていいではないか。『出(しゅつ)ニホン』だ。第二の人生として本当に意義のあることをしたい。

政府の人間などこちらから見放してやればいい。首相さえ変われば、優れたリーダーさえ出れば状況が良くなるんじゃないかと期待する人もいるかもしれないが、それははかない幻想を追うようなものだ。
民主党の面々、東電や保安院の面々(その他、裏に隠れて顔が見えない官僚や財閥・経済界の人間などもいるが顔も見たくない)のことに終始してしまうと、その間にも自分たちの大切な命、将来が損なわれてしまう。
また恨みと悲しみにとらわれてしまうのは良くないことだ。

昨日うれしかったのは、福一事件やTPPのことなどそれほどピンときておらず調べてもいなかった友人に、放射能被曝ではすべての人に必ず脳障害が起るということなどを話したら、即効で“自分も国外避難を考える、フィリピン永住ビザ取得も考えてみる”と言ってくれたことだ。おまけに現地での仕事のアイディアまで考えてくれた。

被曝障害ではガンや白血病ばかりが取り沙汰されるが、それらはごく一部だ。免疫系がやられるのでさまざまな病気や感染症にかかってしまうし、持病も進行する。それに、身体の病気のことは言われるが、すべての人が脳障害を起こすことはあまり言われていない。
被曝で脳障害が起こる(もうすでに自覚できないだけで日本国内全域で起こっているのだ)ことが広く知られれば、友人のように本気で危険を感じる人が増えるのではないだろうか。
脳が無事であってこその日本での今の生活だ。仕事ができるのも脳が正常であってこそじゃないか。

情報を聞いてすぐに理解し、決意し、アクションを起こす人は素晴らしいと思う。こんなこと、ぐだぐだぐだぐだどうしようかああしようか悩んでいる人はきっと10年考えたって結論を出せない。非常事態なんだから仕事やお金のことなど避難してから考えればいい。健康で頭が正常ならなんとでもなる。スピードは必要だ。扉は開いているときに入らないと、2度目のチャンスがあると思ってはいけない。いつか避難できると思っても、いざ出たいと思ったときに閉ざされてしまっていたらそれこそ悲劇だ。

私たち夫婦だって来年3月に移住を予定しているが、それまでに福一が再度大爆発するとか4号機建屋が倒壊して使用済み燃料プールがひっくり返るとか、そのほかにも考えられないような事件がまた起るかもしれない。玄海原発も挙動不審だ。自分たちの予定が壊される可能性は十分ある。あと3か月余り油断はできない。渡航日を1日でも早められるなら早めたい。自分たちの都合に原発放射能が合わせてくれるわけではないのだから。
とにかく1日でも退職日を早めろという私と、3月年度末(実質は3月半ばでお役御免)までは辞められないという旦那とは渡航日の件でいまだにもめている。

とにかく、自分の持っている放射能・TPP危険情報(真に危険なものはNWO情報だが)を、ダメ元でもいいのでまず周囲の人に伝えていくことが大事だと思う。知っている情報は出す。もしそれで信じてくれなくても、嫌がられて家族や友人をなくしたっていいではないか。ほとぼりが冷めたらまた関係は修復できる。人間関係は長いスパンでとらえたらいいと思う。

サバイバルといえば、ナショジオチャンネルで『サバイバルゲーム』という番組をやっている。サハラ砂漠ヒマラヤ山脈等々、世界中の最も過酷な環境で単身遭難してしまった場合を設定して、そこから生き延び、救助されるまでのシミュレーション番組だ。見ているだけで辛い番組でもある。昨夜はスカンクの肉を食べていた。肉にウンコを塗りつけたような味だと言っていた。
実際にサバイバルを行うのはベア・グリルスという30代後半のイギリス人男性で、彼はイギリス軍の特殊部隊にいた人だ。体力もすごいがサバイバルスキル、知識もすごい。いけめんでもある。

私のお世話になっている、あるサイトの主は、危機管理のみならずサバイバルのための物質的な準備も抜かりなく、感心してしまう。妻子と自分が非常時に逃げられ生き延びる具体的な方策を、ずっと前から立てて備えておられる。一家の父、かくあるべしと思えるリーダーシップだ。
うちはまだ揃えることもできていないが、必須の小道具だけでも買ってリュックにまとめておくつもり。
必要物――十得ナイフ、ラジオ、懐中電灯、火打石、水、食料、医薬品、シグナル(ホイッスル、鏡、防犯ベルみたいなのとか)、武器、手動工具、テント等々―いざとなったら何が必要になるだろうか。

前述のベア・グリルスモデルのサバイバルグッズもあるようだし、彼が番組でよく使っている簡易火打石も1800円程だしいいなぁと思っている。簡単そうに見えるが、これでも素人がやれば簡単には着火しないそうな。文明社会の弊害、慣れないサバイバルの道は険しそうなのだった。
移住先をセブにしたのも、ホームレスになったり、飢饉が襲ってきたときにも、常夏の土地のほうが辛さがましだし、作物が育ちやすいなどの利点があるからだ。私は寒さにはめっぽう弱いのだ。