セブ島へ昨年から母子移住している人もいるんだね

JISセブ情報というセブ島移住支援事業を行っている方のブログを見ていて、すでに昨年夏ごろから放射能移住での問い合わせが増えていること、また、その会社のサポートを受けて母子移住(父親は日本で仕送り)をされているご家族もいるんだなということが分かった。福島からの移住家族もいるし、そのブログの管理人さんに、日本の放射能汚染と政府の対応のひどさを切々とメールで訴えている人もいるようだ。

在セブ12年というブログの管理人さんも、海外から見ても日本の行政はおかしいと書かれていた。避難移住の問い合わせが増え、実際に移住に踏み切る人が増えてくれば、現地で移住支援関連の仕事をされている邦人の方々の理解が深まっていくかもしれない。

とは言っても、今のところはまだまだ“年金世代の第二の充実人生”といった移住がメインと見えるセブ。“ハッピーリタイヤ”――もちろんそれ自体はいいことだ。でも、もうそういった価値観は今後の世界で通用しなくなると思う。もう間もなく。だから私には激しい違和感が……。

旦那が職場で後輩に言われたらしい。
「リタイヤ世代の海外移住しかあまり聞かないから、細井さんたちのような世代の移住はすごく新しいモデルになりますね。それが成功すれば本当の勝ち組といえるのかもしれないですね」と。
ここでの“勝ち負け”的表現はどうでもいい。旦那のような非常に安定した職場でさえ、職員は年金の問題も含め、将来への漠然とした不安、特に経済的不安がある。その中で早々現状を見切って出ていく人が新鮮に映るのだという。

私たちは避難移住なので、海外で成功して優雅に暮らしたいとかいう陳腐な目的も価値観も持っていないし、そんなキャラクターでもない。そもそもそんな価値観からはるか彼方にいる人間だ。また、そんな絵に描いたような昔ながらの価値観を持っている人は、人種限らず、この時代にあってはもはやおめでたいとしかいいようがないと私は思う。今世界で何が起こっておりどこへ向かっているのかが何も見えていないのか? 
世界に対して、この先に見えているものが違うと、描く夢も全く違ってくるものだとしみじみ思う。