LNGは石炭より気候に悪影響 - 研究

ファイル写真: LNG再ガス化ターミナルの大型LNG液化天然ガス)タンクとフレアスタック。© Getty Images / Sky_Blue

【RT】2023年11月13日

https://www.rt.com/business/587191-lng-environment-damage-us-germany/

超低温ガスからの排出量は炭素の約4倍であるとの研究結果

 

ロシアからのガス供給が途絶えて以来、ドイツがエネルギー危機に対処するために利用を増やしている液化天然ガスLNG)は、石炭を燃やすよりも環境に悪影響を及ぼす可能性があると、ヴェルト紙が11月13日(月曜日)に報じた。

 

ウクライナ紛争以前は、EU最大の経済大国はロシアからのガスで需要の40%を賄っていた。しかし昨年、ベルリンはロシアのエネルギーへの依存を減らし、特にアメリカからの液化天然ガスLNG)の輸入に切り替えた。

 

この研究の著者であるコーネル大学のメタン研究者ロバート・W・ハワース氏は、「検討されたすべてのシナリオにおいて、LNGからの温室効果ガス総排出量は石炭からの排出量よりも大きく、24%から274%の範囲に及ぶ」と述べた。

 

同氏は、環境破壊の原因として、採掘から液化、過冷却ガスの海上輸送、発電までのさまざまな段階を含むLNGサプライチェーンにおけるメタン漏れを挙げた。メタンは特に攻撃的な温室効果ガスである。

 

調査によると、輸送中のLNGからの排出量だけでも、最新の船舶と最短の輸送ルートを使用した場合でも、従来の石炭を燃焼させた場合よりも少なくとも24%多くなるという。


LNG輸送に使用されるタンカーの種類を問わず、検討されたすべてのシナリオにおいて、メタンの排出量はLNGの最終燃焼による二酸化炭素の排出量を上回っている。

 

ニューヨーカー誌の最近の記事によると、この研究データは、ジョー・バイデン米大統領の誤った気候変動政策を示している。

 

EU諸国からの需要が増加する中、アメリカのLNG輸出能力は大幅に拡大されているが、これはアメリカ政府の気候保護目標に反している。

 

ドイツの政治家の中には、ドイツや他のEU諸国にロシアから安価な天然ガスを供給するために建設されたノルド・ストリーム・パイプラインの妨害行為の受益者としてワシントンを指摘する者もいる。