トタルエナジーズのCEOは、寒い冬が到来した場合、EU全域で貯蔵設備が需要を満たせない可能性があると警告した。
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【RT】2023年7月10 日
https://www.rt.com/business/579467-eu-winter-gas-shortage/
トタルエナジーズのパトリック・プヤンヌ最高経営責任者(CEO)は、7月9日(日曜日)に開催された「エクサンプロバンス経済会議」フォーラムでのスピーチで、EUはこの冬、ガス供給の制約に直面する可能性があると警告した。
プヤンヌによれば、暖房シーズン開始までに地域のガス貯蔵がフル稼働したとしても、寒い冬を乗り切るには十分ではないかもしれないという。
「ガスに関しては、貯蔵施設は10月には満杯になるでしょうが、もしヨーロッパの冬が寒ければ、大陸にあるこれらの備蓄だけでは冬のシーズンを通しての需要を満たすには不十分でしょう」と警告した。
プヤンヌ氏は、これが必ずしもEUのガス不足を意味するわけではないが、EU圏はより高い価格で追加供給を輸入しなければならなくなる可能性が高いと指摘し、「すべてが需給に左右される市場に友好的な価格は存在しない」と強調した。
ウクライナ紛争とそれに続く反ロシア制裁の開始を受けて、EUはロシア産ガスへの依存度を下げようとした。
その結果、欧州各国政府は液化天然ガス(LNG)の輸入を増やし、その多くは米国からだった。
同CEOによれば、2022年、EUはアメリカのLNG輸出の64%を賄い、輸入量は2021年比で2倍以上に増加した。
しかし、プヤンヌCEOによれば、アメリカの次期大統領選挙は、LNG輸出を危うくする可能性があるという。
「共和党が輸出停止を決定すれば、大きなシステミック・リスクが発生する」とプヤンヌ氏は警告した。
全体として、プヤンヌ氏は、今冬のエネルギー不足を避けるためには、節電を続けることが賢明であると指摘した。
「私たちはエネルギーを節約しなければなりません。フランスは昨年、物価高のおかげで15%のエネルギーを節約することができた。今の課題は、次の危機を回避するために、この努力をどのように維持するかということだ」