欧州のエネルギー需要を賄うには再生可能エネルギーでは不十分

Image: Renewables NOT ENOUGH to cover Europe’s energy needs
【Natural News】2023年4月19日(水) 記入者: オリバー・ヤング

https://www.naturalnews.com/2023-04-19-renewables-not-enough-cover-europes-energy-needs.html

 

 欧州では昨年、太陽光と風力を合わせた発電量が天然ガス火力発電所を上回った。

 

しかし、再生可能エネルギーは、大陸全体で減少している水力発電原子力発電の出力をカバーするには十分ではない。

 

 

欧州では昨年の干ばつにより、水力発電の出力が著しく低下した。例えばスペインでは、干ばつのために水力発電の出力がほぼ半分に落ち込んだ。

 

また、原子力発電もあまり芳しくない。フランスでは、長年にわたるメンテナンスへの投資不足が、修理やメンテナンスのための原子炉の緊急停止につながることが突然判明した。

 

フランスの多国籍電力会社であるフランス電力(EDF)は、原子炉の半分をメンテナンスのために停止させなければならず、年間190億ドルという巨額の損失を被った。

 

原子力の専門家は、フランスが原子力よりも自然エネルギーに賭けることを決めたとき、こうなることを予想していた。

 

10月、PV マガジンは、水力発電所と原子力発電所の出力低下を風力と太陽光がいかに補ったかを報じた。

 

この記事では、3月から9月にかけてのヨーロッパの発電量のうち、風力と太陽光が24%を占めたことを紹介している。

 

同期間、水力発電の出力は21%、原子力発電は19%減少した。

 

風力と太陽光は記録的な速さで発電を続けている。

 

しかし、ロイターのギャビン・マグワイアは最近のコラムで、水力発電原子力発電の出力低下は非常に深刻で、これらの記録的な出力率を補って余りあるものであると報告している。

 

ロイターのコラムニストは、大陸の企業活動が昨年のエネルギー危機から回復し始める今年後半に、事態が問題になる可能性があると指摘する。

 

そして、昨年は利用できたロシアのガスのほとんどは、もはや選択肢から外れてしまうかもしれない。

 

 

■■ EU、またもやエネルギー不足が迫る中、ロシア産LNGの輸入停止を望む

 


欧州連合EU)諸国は3月28日、ロシア企業による液化天然ガスLNG)の送付を阻止するための法的選択肢を模索することで合意した。

 

3月、EUのカドリ・シムソン・エネルギー担当委員は、欧州企業に対し、ロシアのLNG取引に新たに署名しないよう要請した。

 

スペインのテレサ・リベラ・エネルギー相も、スペイン国内の企業に対して同様の要請を行った。

 

しかし、ロシアのガスやLNGEUの制裁対象ではないため、こうした要請には拘束力がない。

 

EU諸国のエネルギー相は、EUの新しいガス市場ルールに、ロシアとベラルーシのガス輸出業者が欧州にLNGを供給するために必要なインフラの容量を先行入札することを政府が一時的に停止するオプションを含めるべきと提案した。

 

この提案が承認されれば、加盟国は制裁を用いずにロシアのLNG輸入を阻止する方法を提供することになる。

 

欧州連合EU)は、モスクワのウクライナ侵攻に対応するため、ロシアのガス供給を停止することを約束した。ウクライナ侵攻以降、欧州のロシアからのパイプラインによるガス輸入は激減しているが、LNGの輸入は増加している。

 

フランスのようなEU諸国は、すぐに代替品を探すかもしれない。

 

フランスの原子力発電は、その大きな希望となっている。

 

しかし、現時点でフランスの原子力発電所は、2020年と2021年の平均出力率より17.5%少ない生産量となっている。

 

水力は天候に左右されるため、より厄介だ。

 

例年より雪が少なかったヨーロッパの暖冬により、昨年の干ばつが繰り返される可能性は十分にある。