電気自動車を禁止する時が来たのか?

ニューヨーク市消防局によると、今年に入ってからニューヨーク市内で108件のリチウムイオンバッテリー火災が発生し、66人が負傷、13人が死亡した。

【WND】スティーブン・ムーア 記 2023年8月14日 06:57 PM

https://www.wnd.com/2023/08/time-ban-electric-vehicles/


ニューヨーク市消防局はこのほど、今年に入ってからニューヨーク市内で108件のリチウムイオン電池火災が発生し、66人が負傷、13人が死亡したと報告した。

 

FDNYのローラ・カバナ長官によると、「少量の火災ではなく、文字通り(車両が)爆発する」

 

その結果発生する火災は「消火が非常に困難であり、特に危険である」

 

 

昨年は、EバイクやEVなどのバッテリーから200件以上の火災が発生している。

 

6月20日午前0時近くには、e-bikeショップで火災が発生し、4人が死亡した。

 

2人が重体となっている。

 

 

消防総監は、このような装置は非常に危険であり、通常、脱出が不可能になるような方法で爆発する可能性があるとニューヨーカーに警告している。

 

FDNYはまた、わずか3年間で、リチウムイオン電池の火災は、ニューヨーク市で最も一般的な死亡火災の原因として、調理や喫煙によって開始されたものを上回ったと報告している。

 

このような火災が当たり前になったことで、国中で起こっている。

車道やガレージで車やEバイクが無差別に爆発しているのだ。

 

正直に言おう。人口約800万人のニューヨークほどの都市で13人が死亡したところで、流行とは言えない。規制は常にコスト対便益の計算に基づいて行われるべきだ。

 

プールの飛び込み台、ガスコンロ、プラスチックのストロー、VAPE、花火など、あらゆるものに関して、小さなリスクに対して許容範囲をゼロにし、禁止を求める左派の恐怖政治家たちは、「環境に優しい」電気バッテリーの火災で人が死んだり、重症を負ったりすることに関しては、驚くほど高い痛覚閾値を持っている。

 

 

あるいは、こうも考えられる。

1965年、ラルフ・ネーダーはほとんど独力で、後部トランクにエンジンを搭載したことで有名なシボレー・コルベアの販売禁止に貢献した。

 

ネーダーはベストセラーとなった衝撃的な著書『どんなスピードでも危険』で、この車は致命的だと断言した。

 

しかし、その主張には実際の証拠はなく、今日に至るまで、コルベアで追突事故を起こして死亡した乗客が何人いたのか、いたとしても何人だったのか、信頼できる統計はない。

 

議論の余地のないことは、EVはコルベアよりもはるかに多くの死者を出すだろうということだ。

 

 

もうひとつ例を挙げよう。

 

自動車に搭載されたリチウムイオンバッテリーによる死亡者数は、1979年のスリーマイル島原発事故による全死亡者数(ゼロ)よりも多い。

 

 

しかし事故後、環境保護主義者たちの恐怖キャンペーン(大ヒットした反原発映画『チャイナ・シンドローム』の助けを借りて)のおかげで、30年間国内の原子力発電所は建設されなかった。

 

原発温室効果ガスを排出しないにもかかわらず、である。

 

しかしEVに関しては、グリーンたちは死傷者を巻き添えにする懸念など脇に追いやっている。

 

バイデンは、2032年までに米国で販売されるほぼすべての新車をEVにすることを義務づけようとしている。

 

もしそうなれば、何千人ものアメリカ人が電気自動車の火災で死亡したり、怪我をしたりするかもしれない。

 

昔々、左派の信条は「石油と血は交換しない」だった。

 

今や彼らは、アメリカ人に石油の使用を止めさせることと引き換えに、血を交換することを望んでいるのだ。

 

皮肉なことに、風車やソーラーパネル、電気バッテリーを生産するために必要なエネルギーはすべて、この「ネット・ゼロ」移行による温室効果ガス排出量の削減はゼロに近いという新しい研究結果が出ている。結局のところ、グリーンエネルギーは公害も引き起こすのだ。

 

念のため言っておくが、私は政府がEVやEバイクを禁止することに賛成しているわけではない。

 

ただ、虚偽の恐怖やセンセーショナリズムではなく、現実的で事実に基づいたリスク評価に基づいて政策を決定すべきだと思っているだけだ。

 

EVの将来については、ラルフ・ネーダーが『どんなスピードでも危険』の続編を書く時が来たのかもしれない。