研究: EV金属の深海採掘は海洋動物の個体数を半減させる可能性

【Natural News】2023年7月26日 BY: ローラ・ハリス 
https://www.naturalnews.com/2023-07-26-deep-sea-mining-destroys-ocean-animal-population.html

 

電気自動車(EV)に必要な金属の深海採掘の急速な拡大が、海洋動物の個体数を半減させる可能性があることが、『カレント・バイオロジー』誌に掲載された新しい研究で明らかになった。

 

 

この研究では、日本沖の海底コバルト採掘場から捕獲し、日本政府によって短期間の採掘テストが実施され、有害な影響を調べるために研究に携わった研究者によって分析された。

 

 

採掘試験から1年後、研究者たちは魚とエビの個体数の著しい減少を観察した。

 

採掘試験で発生した土砂の影響を直接受けた地域では、魚とエビの密度が43%減少した。

 

驚くべきことに、土砂の影響を直接受けていない近隣の地域でも、魚とエビの密度は56%という大幅な減少を経験した。

 

 

「このような(金属を)採取して海をめちゃくちゃにする価値があるのか、他の場所をめちゃくちゃにする価値があるのか。わからないが、正しい判断を下すためには、あらゆる手段を使わなければならない」と、海底生態学者でこの新しい研究の著者の一人であるトラビス・ウォッシュバーンは語った。

 

 

別の研究では、採掘実験が動物の個体群に与える影響が長期にわたって続くことが明らかになった。採掘試験が行われてから3年後でも、深海採掘場周辺の海洋生物は一貫して減少していた。

 

ウォッシュバーンは、海洋生物は生息地の破壊と土砂の生成によって採掘場から離れると説明している。

 

採掘活動によって海底から岩石が直接取り除かれ、海洋生物の生息地が破壊される。

 

また、採掘作業中に発生する土砂には、魚類やその他の海洋生物の栄養補給に不可欠な有機物が含まれていない。

 

その結果、土砂が沈殿した場所に生息する海洋生物は餌を得る機会が限られ、個体数の減少につながる。

 

また、7月17日に発表された研究では、深海採掘がマグロ漁業に与える潜在的な影響が明らかになった。

 

マグロ漁業は、多くの沿岸地域社会の生活に不可欠であり、世界の水産物貿易において重要な役割を果たしている。

 

 

■■ 米国と日本、EVバッテリー用鉱物に関する貿易協定に調印

 

深海採掘が海洋生物の生態系に及ぼす有害な影響にもかかわらず、米国と日本は3月28日、EV産業を強化し、EVバッテリーに必要不可欠な鉱物を確保するための貿易協定に調印した。

 

この協定により、日米両国のバッテリー・サプライ・チェーンが確保され、日本の自動車メーカーは有利な米国EV税額控除(7500ドル)をより広く利用できるようになる。

 

バイデン政権高官によると、この協定の主な焦点は、リチウム、ニッケル、コバルト、グラファイトマンガンなど、EVバッテリーに使用される必須鉱物の二国間輸出規制の発動を防ぐことだという。

 

そうすることで、この協定はこれらの鉱物の安定供給を保証するだけでなく、両国の中国への依存度を下げることも目的としている。

 

この貿易協定は、電気自動車購入に7500ドルの税額控除を提供する、気候変動を中心としたインフレ削減法(IRA)と整合しており、さらに重要な意味を持つ。

 

鉱物を中心とした貿易協定は、こうした控除を利用するために極めて重要な役割を果たす。

 

バイデン政権は、これらの協定を、税額控除へのアクセスを開放し、重要鉱物とその加工品のサプライチェーンを強化する戦略的手段と見なしている。

 

ジャネット・イエレン財務長官は最近、下院歳入・手段委員会での証言で、重要鉱物のサプライ・チェーンを強化することの重要性を強調した。

 

日本との貿易協定は、この目標に対する政権のコミットメントをさらに強固なものにする。

 

このような採掘方法は、電気自動車や再生可能エネルギー部品に使用される金属の需要増に対応するための解決策を提供するかもしれないが、生態系に大きな代償を払うことになる。