電気自動車メーカーは、何百万台ものEVが道路を走ることになるため、その整備に必要な数の整備士を養成するのを忘れていたようだ。
【Pjmedia】2023年9月6日 3:04 PM リック・モラン著
新車で7万ドルの補助金が出る電気自動車(EV)を手に入れたあなたは、街中の誰もがうらやましがっている。静かで、無公害で、ガソリン車より安く運転できる。
それはまったく正確ではない。
実際、EVが故障しないことを祈るしかない。
電気自動車メーカーは、あなたの美しい新車を整備するのに必要な数の整備士を養成するのを忘れてしまったのだ。
見過ごすにはあまりに当然のことのように思える。
そして、数百万台のEVが道路を走れば、EV産業は吹き飛ぶだろう。
EVの修理は非常に危険である。
技術者が扱う電気電圧は、整備士をあっという間に死に至らしめる可能性がある。
EVバッテリーの火災の危険もある。
また、EVの修理に必要な専門的な診断機器は、修理や保証のコストを抑えるために必要だと専門家が認めている小規模な独立修理工場のほとんどを後回しにしている。
(ロイター)
自動車修理業界は、パンデミック以来、すでに人手不足に陥っている。
イギリスのハートフォードに本部を置く自動車産業協会(IMI)は、自動車トレーニングコースを開発しており、現在中国全土でEVコースを展開している。
IMIは、2030年に化石燃料車の販売が禁止されるイギリスでは、2032年までに25,000人のEV技術者が不足すると予測している。
中国に次いで世界第2位の自動車市場であるアメリカでは、EVの販売台数の伸びはヨーロッパに遅れをとっているが、労働統計局は、EVの修理やEV充電器の設置を行う技術者を含め、2031年まで年間約8万人の電気技師の仕事が必要になると予測している。
また、オーストラリアでは2030年までに9000人のEV技術者が不足する可能性があると、ビクトリア自動車商工会議所は予測している。
自動車の専門家たちは、ミラノのペトリリのような整備士がEVを避け、消費者に高い請求書と長い修理時間を残すことを恐れている。
EVの修理は、ガソリン車よりもケガのリスクが高い。
また、資格のない整備士が危険にさらされるような作業を強要される恐れもある。
ドイツのルーカス・ヌエルで自動車製品開発責任者を務めるダニエル・ブラウンは、「誰かが怪我をするのは時間の問題だ」と言う。
EVメーカー各社はすでに、そうでなければガソリン車の修理に専念する小規模な独立系修理工場に対するトレーニング・プログラムへの補助金を政府に求めている。
MTAニュー・サウス・ウェールズ州政府担当責任者のコリン・ジェニングス氏は、小規模な修理工場には補助金付きのEVトレーニングが必要であり、そうでなければ多くの修理工場は化石燃料モデルの修理に固執するだろう、と述べた。
オーストラリアの多くの小さな町と町の間には距離があるため、このような問題が発生しやすいのだ。
「そこでテスラが壊れたら、誰が修理してくれるのでしょうか?」とジェニングスは言う。
IMIは、独立系修理業者のトレーニング費用を援助するため、英国政府に1500万ポンド(約16億円)の支援を求めている、とスティーブ・ナッシュCEOは語った。
しかし、米国労働技能革新研究所のニコラス・ワイマン事務局長は、ほとんどの修理工は自力でやっていると述べた。
下院議事法委員会によると、政府は電気自動車購入のために3980億ドルの税額控除を行う予定である。
電気自動車税額控除は、年収30万ドルまでの納税者が自動車メーカーから購入する場合、3930億ドル(当初見積もりの28倍)の税金補助となる。
「グリーン」エネルギー製造控除は、1930億ドル以上(当初見積もりの5倍以上)になると予測されている。
ホワイトハウスはまた、「バイデン大統領の超党派インフラ法は、EV充電に75億ドル、クリーン輸送に100億ドル、EVバッテリー部品、重要鉱物、材料に70億ドル以上を投資する」と自慢している。
つまり、EVに4,250億ドル以上が費やされているが、EVを走らせ続けるには十分なサービスマンがいないのだ。