紅海の攻撃続けば原油価格は2倍に、専門家が警告


【Natural News】2024年1月11日 キャシー・B著

https://www.naturalnews.com/2024-01-11-oil-prices-could-double-red-sea-attacks.html

イエメンの反政府勢力フーシ派による紅海での攻撃と混乱により、原油価格が上昇すると予想され、ゴールドマン・サックスは価格が2倍になる可能性もあると警告している。


フーシ派は、イスラエルの対ハマス戦争に対抗するため、紅海を通過する海運を封鎖し、貨物への攻撃を続けている。

 

中東での敵対関係が高まるなか、イエメンを拠点とする過激派はパレスチナ人との連帯を示すためと主張し、イスラエルと関係がありそうな船舶への攻撃を強化している。

 

ゴールドマン・サックスの石油調査部長、ダーン・ストルイヴェンはCNBCのインタビューで、世界はまもなく彼らの行動の代償を払うことになるかもしれないと述べた。

 

紅海は中継ルートであり、そこでの混乱が長引けば、原油は3、4ドル高くなる」と指摘した上で、「しかし、ホルムズ海峡で1ヶ月の混乱が起きれば、(原油価格は)20%上昇し、混乱が長引けば2倍になる可能性さえある」と付け加えた。

 

同氏は「可能性は極めて低い」かもしれないとの見方を示したが、多くのビジネス・アナリストや政治アナリストが、状況は悪い方向に向かっているとの懸念を表明している。

 

紅海は、消費財とともに石油や液化天然ガスの輸送にとって世界で最も重要なルートのひとつと考えられている。イエメン沿岸に近い南のバブ・アル・マンデブ海峡と北のスエズ運河によって区画されている。

 

反体制派は、イスラエルに向かう船であろうとイスラエル企業が所有する船であろうと、何らかの形でイスラエルとつながっている船を標的にしていると主張しているが、一部の企業は、自分たちの船が不当に標的にされたと述べている。

 

例えば、12月にスワンアトランティック号が攻撃を受けたインベスター・ケミカル・タンカーズ社は、イスラエルとのつながりはないと報告している。

 

■■反体制派は商業船を攻撃し続けている


これまでのところ、反政府勢力はヘリコプター、高速ボート、ドローン、ミサイルなど様々なアプローチで紅海の商業船舶を何十回も攻撃している。

 

先月は、これに反応して原油価格が小幅に急騰する場面も見られたが、これまでのところ、市場全体の軟調さを考えれば、変動は比較的限定的だ。

 

しかし、状況は悪化の一途をたどっているようで、大手荷主数社はすでに紅海とスエズ運河ルートの利用を断念している。石油大手のBPは、紅海とスエズ運河経由の原油輸送を一時停止した。

 

世界第2位の海運会社であるマースクは、船舶の1隻が攻撃を受けたことを受け、この海域を完全に避けると発表した。

 

同じく攻撃を受けたドイツの船会社ハパックロイドは、この海域の安全が100%保証されるまではこの海域には戻らないと述べた。

 

同航路のコーポレート・コミュニケーション責任者であるナイルズ・ハウプトはBBCにこう語った。

 

「私たちは東部地中海からシンガポールに向かいます。通常、スエズ運河を通過するのに13日かかりますが、運河を使わない場合は31日になります」

 

多くの企業が紅海から船を迂回させ、代わりにアフリカの南端と喜望峰を回航させている。このため、アジアから北米やヨーロッパに向かう貨物の航路が6,000海里も延び、納期が1カ月も遅れ、輸送コストが高騰している。

 

S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンス社によると、中東、ヨーロッパ、北アフリカに輸入される商品の約15%がアジアと湾岸諸国から海上輸送されており、この中には精製油の約22%、原油の13%以上が含まれている。

 

原油価格が上昇すれば、すでに世界の多くの地域で高騰しているインフレを悪化させる可能性がある。