【米】インフレによる利上げで潰される地域銀行

Community Banks
【America First Report】ウィル・ケスラー著

デイリーカラーニュースファンデーション 2023年12月27日

https://americafirstreport.com/community-banks-are-getting-crushed-by-inflation-fueled-rate-hikes/

ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、小規模なコミュニティバンクは、ジョー・バイデン大統領の下で高騰したインフレに対抗するために実施された連邦準備制度理事会FRB)の利上げの影響を受けている。

 

WSJによると、コビッド19の大流行で融資が伸び悩んだ後、コミュニティバンクは資産を財務省債、住宅ローン担保証券、地方債に集中させた。

 

連邦準備制度理事会FRB)が、2022年6月に9.1%とバイデン政権下でピークに達したインフレを抑制するため、フェデラルファンド金利を5.25%から5.50%の範囲に引き上げ、過去22年間で最も高い水準としたため、金利が上昇した。

 

WSJによると、第3四半期には300以上の銀行が資産の50%を有価証券で運用しており、そのうち100行は75%以上であった。

 

一方、アメリカの銀行が運用する全資産のうち、証券で保有されているのは今年半ばの時点で19%に過ぎず、資産の大半を保有する上位銀行ほど証券保有比率が低いことがわかる。

 

今年初め、シリコンバレー銀行(SVB)を皮切りに地方銀行の破綻が相次ぎ、連邦規制当局が同行の資産を差し押さえる事態となったため、預金者は資金の預け先について慎重になっている。

 

その結果、預金者はSVBや他の銀行が経験したような銀行の経営破たんと無縁であろうと考え、より安全だと思われる大手銀行に資金を預けることが増えた。

 

アクシオスによると、銀行の含み損は第3四半期に拡大した。 pic.twitter.com/9H6owxoQrx

- unusual_whales (@unusual_whales) 2023年12月27日

 

WSJによると、預金者の減少と未実現損失の影響により、コミュニティ・バンクの第3四半期の純利益は20%減少した。

 

コミュニティ・バンクは地域経済における重要な貸し手であることが多く、コミュニティ・バンクがなければ、重要な信用枠が消滅してしまう。

 

米連邦準備制度理事会FRB)は直近の連邦準備制度理事会公開市場委員会(FOMC)で新年度の見通しを発表し、2024年末までにFF金利を4.6%まで引き下げるというのが中央値のコンセンサスだった。

 

これでもまだ金利は比較的高いままだが、多くの銀行に重くのしかかっている未実現有価証券損失の一部を軽減できる可能性がある。