ホワイトハウスの正気: ウクライナ戦争終結に向けた交渉決着を模索するバイデン氏

AP Photo/Vadim Ghirda
【PJMedia】リック・モラン著2023年12月27日 15時1分
   https://pjmedia.com/rick-moran/2023/12/27/sanity-in-the-white-house-biden-looking-for-negotiated-settlement-to-end-ukraine-war-n4925048
ジョー・バイデンはようやく現実を認め、ウクライナ戦争の交渉による終結を目指すようだ。

 

ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領がこの新戦略に賛同するかどうかは関係ない。

 

バイデンとキエフのヨーロッパの同盟国は、壁に書かれた文字を見ている。

 

両者とも、ウクライナへの支援策が深刻な事態に陥っていると見ている。

 

そして、ロシアを打ち負かし、ウクライナの領土から完全に追い出すという軍事的目標には手が届かないことを認めている。

 

その認識とともに、ウクライナの「反攻」は、屠殺人の請求書に何万人もの名前を追加する以外、たいした成果を上げられなかったという認識も生まれる。

 

昨年8月、『ニューヨーク・タイムズ』紙は、ウクライナ軍が50万人の死傷者を出したと報じた。今はもっと多いのは間違いない。

 

ウクライナの約20%はまだロシアの支配下にあり、このような状況を考えると、ロシアは領土を返す気にはならず、キエフにさらなる領土の譲歩を要求するかもしれない。

 

米国はゼレンスキーに、失敗した反攻作戦から東部のロシア軍に対するより強固な防衛態勢に軍を再配置することを望んでいる。

 

その目的は、軍事的な立場を強化することでウクライナの交渉上の立場を「強化」することだ。

 

「この戦争を最終的に終わらせる唯一の方法は交渉だ。我々は、ウクライナが交渉に臨む際、可能な限り強力な手札を持っていることを望んでいる」

 

ホワイトハウスは、交渉を提案する人物を批判していたと記憶している。何が変わったのか?

 

ホワイトハウスウクライナのヨーロッパの同盟国は、ロシアの用意した陣地に対する攻勢は無駄だと判断した。キエフが自ら難攻不落の壁を築き、プーチンに戦争を続けることの無益さを認識させる時が来たのだ。

 

「和平交渉についての)話し合いは始まっているが、バイデンの政治的リスクのために(政権は)公には引き下がれない」と、政権の考えに詳しく、自由に発言するために匿名を許された議会関係者は言う。

 

もしウクライナが撤退を開始し、軍備を固め始めたら、事態は収拾し、バイデンは外交的に戦争を終わらせる努力が進行中であることを否定できなくなるだろう。

 

この1年、バイデンは、米議会での米軍の支持は急速に低下し、ゼレンスキーのかつて威勢がよかった反攻作戦は6月の開始以来失敗に終わっている。

 

バイデンは、米国が「必要な限り」ウクライナを支援するという約束から、米国は「できる限り」支援を提供すると言い、ウクライナは「すでに巨大な勝利を収めた」と主張するようになった。プーチンは失敗した」

 

一部のアナリストは、これは暗号だと考えている。

 

部分的な勝利を宣言し、少なくともモスクワとの停戦か停戦、つまりウクライナを部分的に分断したままにしておく方法を見つける準備をしろ、ということだ。

 

「バイデンの勝利宣言は真実であるという美点がある」と、CIAの元ロシア分析チーフで、現在はクインシー・インスティテュート・フォー・レスポンシブル・ステートクラフトの戦略責任者であるジョージ・ビーブは言う。

 

しかし、「ウクライナの労働力と産業能力に関しては、時間が圧倒的に不利になっている。これが長引けば長引くほど、ロシアを交渉のテーブルに着かせるためには、前もって譲歩しなければならなくなる」

小国が大国と戦う場合、その戦略はお馴染みのものだ。

 

目標は、大国が小国の防衛を突破しようとするのを、身を潜めて無理やり抑え込むことだ。しかし、ウクライナには何十億ドルもの武器が必要であり、それはアメリカからは入手できないかもしれない。

 

そして、この戦いにはウクライナNATOに加盟するという見通しがつきまとっている。

 

その可能性を阻止するために、プーチンウクライナに譲歩を認めるかもしれない。

 

しかし、ウクライナNATOに加盟すれば、世界は核戦争の引き金を引くことになりかねない。プーチンはその脅威を利用して、東欧の他の地域に譲歩を要求するかもしれない。

 

バイデンが今年の早い時期にこの手を打てなかったのは残念だ。当時、ウクライナはもっと強い立場にあった。今、バイデンは、復活したロシアと、ロシアから領土を取り戻さずに諦めることを望まないかもしれない消極的な同盟国と戦わなければならない。