テスラ、「不満を持つ」従業員によるデータ漏洩で窮地に陥る

電気自動車メーカーであるテスラは、大規模なデータ流出事件と技術的な問題に対する新たな懸念にさらされている。

2020年1月21日、ドイツ・シュレースヴィヒ=ホルシュタインで、破壊された金物店の入り口の前で、事故後に立つテスラ。© picture alliance / Colaborador

 

【RT】2023年5月27日

https://www.rt.com/business/576953-tesla-whistleblower-data-leak-safety/


テスラ社の内部告発者が100ギガバイトの機密データを流出させ、同社製自動車の技術的欠陥の詳細や、社員や顧客の大量の個人情報を漏らしたと、新聞ハンデルスブラットが報じ、この流出を "ザ・テスラ・ファイルス" と名付けた。

 

「オートパイロットが私を殺しかけた」というタイトルのレポートが、同紙によって5月26日(木曜日)にオンラインで公開されました。

 

 

それによると、「膨大な量の内部情報が会社から流出した」とし、この流出した情報は、テスラのオートパイロット機能に関する問題が、「これまで考えられていたよりもさらに大きなものである可能性がある」ことを示唆しているという。

 

テスラファイルには、米国、欧州、アジアの顧客から2015年から2022年にかけて寄せられた数千件の苦情が含まれているとされ、テスラの完全自動運転(FSD)機能の安全性に重大な懸念が示されている。

 

報告された問題の中には、自己加速やブレーキの問題があり、車が「突然ブレーキをかけたり、急加速したり」する事故について記述しているものもある。

 

ハンデルスブラットによると、無事に車のコントロールを取り戻したドライバーがいる一方で、「溝に落ちたり、壁にぶつかったり、対向車と衝突したりした」ドライバーもいたそうだ。

 

また、テスラは車両のデータを秘匿することを好み、事故に関する報告書を顧客と共有しないと、ハンデルスブラットは流出したファイルを引用して報告している。

 

イーロン・マスクの会社は、運転支援システムに関して多くの訴訟に直面しており、米国の道路交通機関NHTSAの調査を受けている。

 

ハンデルスブラットは、技術的な問題の記述だけでなく、顧客や従業員の個人的な詳細が、流出したデータセットに「大量に」含まれている可能性もあると述べている。

 

文書には、元従業員と現従業員の10万人以上の名前が含まれているとされ、CEOのイーロン・マスク社会保障番号、従業員の私用メール、電話番号、給与のほか、顧客の銀行情報、生産時の秘密情報などが含まれていたという。


ハンデルスブラット氏は、テスラは機密データや個人データを適切に保護することができなかったと述べている。

 

パスポートや社会保障番号などの情報は、パスワードで保護され、特定の従業員にのみアクセスが許可された場合にのみ共有することができるという社内ガイドラインを引用している。

 

しかし、同誌によれば、流出したファイルは、テスラがこれらの規制を実施していないことを示唆しているという。

 

データ漏洩はEUの一般データ保護規則に違反することになり、ドイツとオランダの当局が注目している。

 

テスラの欧州本社があるオランダのデータ保護監督当局にはこの事件が報告され、テスラのギガファクトリーがあるドイツのブランデンブルク州の当局は、データ保護違反の可能性について重大な指摘をしていると同紙は書いている。

 

テスラの弁護士はハンデルスブラットに対し、「不満を持つ元従業員」がサービス技術者としてのアクセス権を悪用して情報を入手したとし、同社はこの元従業員を法廷に立たせるとも付け加えた。

 

ロイター通信によると、テスラはこの報道についてすぐにコメントを得ることはできなかった。