【ゼロヘッジ】タイラー・ダーデン著 2023年5月24日水曜日 - 午後2時45分
米国でプライベートジェットの利用が低迷していることは、今後12カ月間の景気後退の脅威が高まっていることを受けて、富裕層が支出を減らしていることを示唆しているのかもしれない。
ブルームバーグのデータによると、全米のプライベートジェット機のフライトは2022年初頭にピークを迎え、それ以来、スライドしている。
離着陸は第1四半期に前年同期比で4.5%減少した。3月の8.6%減に対し、4月は9.3%減と減少が加速しており、需要が崩れつつあることを示しているのかもしれない。
業界が圧力を受け、資本市場が不安定な状態にある中、ネットジェッツ社に次ぐ米国第2位のプライベートジェット機運航会社であるフレックスジェット社は、先月、SPACの棚上げを余儀なくされた。
プライベートジェットの需要が2019年の水準を上回っているとはいえ、パンデミック後の時代には、多くの富裕層がまだ民間航空会社に戻っていない。
それでも、新たな需要が増える中、不況リスクが高まる2023年前半に富裕層は削減を進めている。
業界関係者の中には、コビッド時代に盛り上がったプライベートジェット・ブームの終焉を歓迎する声もある。
フレックスジェット社のケン・リッチ会長はブルームバーグにこう語っている。
「昨年のような状況でなくてよかった。彼の会社では、年間飛行時間がパンデミック前の9万時間から14万5千時間に跳ね上がった」という。
プライベートジェットの需要が落ち込んでいるのは、バンク・オブ・アメリカ研究所が発表した最近のデビットカードやクレジットカードのデータから、富裕層が支出を控えていることがわかるからだ。
需要の減少に加え、JPMorgan Chaseが最近発表したレポートによると、プライベートジェットの平均希望価格は3月に2月から1.2%下落し、1280万ドルになった。
ここ数年のブームの後、価格が緩和されているのだ。
しかし、在庫が逼迫しているため、平均価格は昨年を7%上回る水準にある。
ブルームバーグのデータでは、今後12ヶ月間の景気後退の可能性が100%に達したため、富裕層がプライベートジェットのフライトを減らし、支出を控えるという組み合わせになっている。