セブ市内の道路の渡り方

セブ市内に住んで2か月、私はセブの治安をことさら気にしたことはない。諸外国を旅行する際に気を付けておくことと同程度のことを心がけていればまず大丈夫だと感じている。観光で入れる国ならば先進国であれ後進国であれ、夜間少人数で出歩かないこと、危険な場所や人物には決して近づかないこと、金目のものを見せないこと、これだけで犯罪から守られると思う。

■セブ市内で危ないと思うこと

そんなことよりも私がセブ市内で日常的にもっと危険と思っていることがある。これは短期にしろ、こちらへ来られたら誰もが思うはずのことだ。その危険事項は何かというと「道路の横断」と「排ガス」だ。


(うちの学校の近くの大変交通量の多い交差点。珍しく信号と横断歩道がある。小型モールと路上マーケットがあるため徒歩の人も大変多い場所)

■歩行者に全然優しくない車優先社会なのだ!

こちらは日本と違い、歩行者優先ではない。車優先なのだ。自家用車に乗っている人は相当リッチな類に入るので、こちらでは徒歩の人=貧乏、車に乗っている人=金持ち、という解釈が自然になされている。そして当然のことながら金持ちが優先されるのだ(とは言ってもジプニーやタクシーの運転手は貧乏層だけれど……)。
そのうえ、日本のように信号、横断歩道、整備された舗道、陸橋などがほとんどないため、歩行者が道路を渡るのはコツをつかむまでは多分大変だ。

車は歩行者がいてもまず止まってはくれないので、事故にはくれぐれもご注意を。渡り始めていても容赦なく走ってくるし、スピードも落としてはくれない。時間帯にもよるが交通量が多い道路では、渡りたい場所ですんなり渡ることができない。
スリや泥棒などはカネ・モノを取られるだけですむけれど、交通事故でケガをしたら日本と違って保険も含めた事故処理も全然違うだろうし(詳細は知らない)病院にかかれば治療費も日本と比較にならないほどかかるだろう。当然治るにも時間がかかる。

私たち夫婦も最初に来た時には、ここではどうやって道路を渡るんだろう?と、しくみを全く知らなかったので大変困った。でもだんだんコツをつかんで今では結構うまく渡れるようになったので、場数を踏めば大丈夫と思う。具体的には現地の人の渡り方から学んでいったのだ。

(ジプニーから道路を渡っている人の様子を撮った)

■現地の人にくっついて、みんなで渡る

まず、一番いい方法は、他に同じ場所を渡ろうとしている現地の人を見つけて一緒にくっついて渡ること。“みんなで渡れば怖くない”ということがそのままここでは当てはまる。最初はずっとそうやっていればいいと思う。そのうち素早く優雅に渡れるようになるはず。当初うちの旦那など素人丸出しの渡り方をしていておかしかった。「そんなみっともない渡り方すんのやめて!」と私はよく言っていた。それが今では随分余裕が感じられる。

(いつも私たちが学校へ行く際にジプニーの乗り降りをし、横断している道路)

そのほかには、ジプニーや自家用車など車が道路を横断するときに一緒に渡ったり、渋滞している間に車間をすり抜けて渡ってしまうのもいい。

お年寄りや小学生ぐらいの子どもが単独で渡っているのもそこそこ見かけるが、そういえばあまり小さい子ども連れの人やお年寄り連れの人たち(要するにファミリー)が交通量の多い道路を家族で渡っているのを見かけない。どうしているのか私にもよく分からないが、推測するに、家族でモールなどどこかへ出かける際は自家用車かタクシーで来ているのではないかと思う。
フィリピンは家族数が多いので、買い物量も多いだろうし車でないとそもそも荷物を持って帰れない。でも自家用車を持っている裕福な世帯など限られているのでその場合はタクシーを使うのではないか。あるいは、こっちでは軽トラの荷台に半分屋根とシートが付いているタイプのをよく見かけるので、そういう比較的安価な自家用車に乗ってきているのかもしれない。(こっちではトラックの荷台に人が乗っていても構わない。私も何度も乗せてもらっている)

■市内の排ガスはあなどれない

こっちはディーゼル規制が行われる以前の日本と同様、黒煙をまき散らして走っているジプニーやトラックが多数いる。これがかなり厳しい。現地の人は私たちほど気にしていない様子に見えるが、ハンカチで口を押えている人もいるし、やっぱりまともに排ガスを食らっているときなど非常に苦しそうだ。
私の現地人の知り合いも他島からセブ市内の大学(私たちの通っている語学学校が入っている大学)へ入ってから喘息にかかったため、やむなく引っ越したという。だからこの点は気を付けたほうがいいと思う。
私も交通量の多い道路を1時間ぐらいジプニーに乗ったとき、帰ってから1日気持ちが悪く頭痛がしてきたことが2、3回ある。
日本と違って、セブ市内にはゆっくり散歩するというような道がないのが難点(残念)だ。

(うちの近くの庶民の住宅街の道。人が少ないお昼ご飯時の様子。それ以外は人でごちゃついている)