先日、昨年の放射能によると思われる自分の健康障害について書いたが、避難してからなくなった現象があるのでメモっておく。
東京にいたころ、地震前などに感じるという耳鳴り―気圧の変化による“キーーーーン”とか“シーーーーン”とかいうやつ―や、ボワーッとした耳の中への圧力を毎日のように感じていた。国内での地震が1日に微震含めて10−15回ぐらいあったのだから(今も)当たり前かと思うが、居たときはそれが当たり前だったので気に留めていなかった。でもセブへ引っ越してから、これが全くなくなっていることに先日気付いた。
セブ島(やネグロス島=ネグロス島は大きな被害にあった)では今年2月に震度3の地震があって、すごく珍しいことなので大騒ぎとなったようだが、元々は地震は起こらない地域だ。それで耳鳴りがなくなったのだろうと思う。
セブ島の人たちが震度3で大騒ぎした様子を学校の先生から聞いたが、みんな地震自体人生初の体験だったようで、ダウンタウンから人が雪崩のように車、バイク、徒歩でアップタウンへ押し寄せ、メガホンで「ツナミー! ツナミー!」と叫んでいる人多数だったそうだ。ツナミが来ているから逃げろという噂がすごかったらしい。
アップタウンの人たちも同様にさらに山の手のほうへ大群で逃げていったようで、地震というか日本の311時にニュースで見た津波映像の恐怖が彼らの脳裏に焼き付いていたようだ。冷静に考えて、他の島々に囲まれて内海しかないセブ島の位置からして、そもそも大きな津波は来ないはずなのだが、現地の人は自分たちの地理を知らないのだろうか?
うちの語学学校の先生の多くも、泣きながら「帰らせてくれー! 死ぬときは同僚とじゃなく家族と一緒に居たい!」と訴えていたようだ。うちの学校は大学内にあるが、語学学校自体は韓国人経営であるせいか社長の返事はNO、先生たちは気もそぞろのまま何とか授業を続けていたという。かわいそうに。
フィリピン人の90%超はカトリックであるから、聖書の黙示録に“地震”が世の終わりのしるしの一つとして書かれていることで本当に世の終わりが来たと思ったそうだ。日本では地震は日常茶飯事なのでいくらカトリックやプロテスタントの人でも特定の地震が世の終わりだと思うことはないだろうが、人生初の体験となればそれぐらいビビってしまっても仕方ないのかもしれない。