初上陸のセブ―2日目・11月24日 CebuPot1日視察ツアー(賃貸アパートについて)

セブ2日目の1日ツアーでは2件、賃貸物件を内見させてもらった。

事前にセブ島市街かマクタン島内で、1万ペソ前後(2万円前後)の予算の物件を見せて頂けるようにセブポットさんにお願いしてあった。セブ訪問前にはネットで物件を調べたり現地在住邦人や移住した人達の個人ブログなどで情報を得ていた。実際にそこで暮らしている日本人の声を聞くのが一番手っ取り早い。また、11月13日にはセブポット主催の不動産セミナーもあったので、おおよその感覚だけはつかめていた。

1万ペソのアパートは高いか安いか。日本人のリタイヤメント世代が移住する場合を考えれば、これは低すぎる予算だろう。郊外の一軒家やセブシティ中心地の高層コンドミニアムなどなら日本円にして10万前後のものが多くある。日本で支払っていたローンや家賃レベルの金額をセブでも支払える人達は大抵、同じ家賃で日本よりずっと広くて優雅な住まいに暮らすことを選ぶ。

そうでもなければわざわざ後進国へ移住するメリットはないだろう。日本で払っていた家賃と同程度の額でセブ島では住み込みのメイドさんや運転手を雇え、メイド部屋プラス4ベッドルームほどある家に住めるのだ。だから自然、年金受給世代の移住日本人の生活は“日本と同じ生活費で日本より優雅で快適な暮らし”を追求するものになる。今のリタイヤ世代ならそういう選択もいいと思う。私の知る限り、歳をとっていても見知らぬ国へ移住して新しい生活へ突入していくエネルギーのある日本人は少数派ながらもそこそこいるものだ。

ただ、これからは年金受給額も少なくなっていき、日本経済も下降線をたどるのみ。受給額を最大限に生かすために国外移住を考える人が増えると思う。いや、そのうち年金額が数万レベルになれば、物価や家賃の安い国外へ逃げざるを得なくなるのではないだろうか。実際に私の仕事関連での知り合いにもそういう理由で数年前、バンコクへ渡った人がいるし、ネパールへ行こうとしていた人もいる。

さて、自分たちの話に戻すと、1万ペソの家賃は私たちにとって“高め妥当”だ。当面貯金で暮さなければならないこと、めでたく現地で収入源を確保した暁にも日本で得られていた収入の数分の1に激減することだろう。生活費も安くなるためそれは構わないのだが、倹約生活は強いられる。現地人のような暮らしは安全面からもできないのだが、かといって、リタイヤ世代の移住者たちのように悠々自適な生活もできない。私の場合はこれまでの半生も同じだが中途半端な貧乏生活となる。
私たちのような放射能難民は従来型移民とは違う新しい移住モデルなのだから、どういう生き方をしていくのかはこれから自分たちで切り開いていくしかない。先例がないのだから。祈り、神さまの導きに信頼して平安ある方向へひたすらついていくのみだ。

最初は“1万ペソで日本人が入れるレベルの物件を探してください”と伝えるのに恐縮したが、セブポットさんいわく、“セブ市内で1万ペソでも安いという訳ではない、探せばあるし、タイミングがある。足で探すしかないけれど、土地勘を掴んでじっくりやればいい”とのことだった。(これは他の邦人の個人ブログでも同様のことを言っていた)
私たちへのアドバイスとしては、セブ市街に住み、仕事を探すなど次のステップにつながるようにしたほうがいい、そういう意味ではマクタン島のリゾート地域や現地の人が住む集落はお勧めしない、セブ全体の土地勘がつかめないからだ、と。

現地の人が住んでいる掘立小屋のような住まいの集落もたくさんある。そういう所に外国人が住めばいきなり襲撃でもされるかというと、そんなにセブの治安は悪くない。ただし空き巣被害にあったり、行動を始終観察されていたりという住みにくさは出てくる。そりゃそうだ、貧しい集落でブラブラしている人たちはヒマなのだから、よそ者が入ってきたら一気に注目の的になってしまう。ただの野次馬だとは言っても、これは非常にわずらわしい。
何にせよ外国人に必要なのはある程度セキュリティのしっかりした物件、そしてインターネット環境だろう。これらは外せない。

この日は結局、セブ市街の物件は見ていないがマクタン島内で“出物”という物件を2件見た。1件目はまだ築1年程で1万2千ペソ、2人なんとか住める1Rだけど使い勝手がよく、私が都内で1人暮らししていた物件より断然きれいだった。結局、セブポットさんのアドバイスなどで最初にマクタン島に住むことはやめたので見送ったが、セブ市内だったら即決していたくらいの部屋だった。


2件目は、すでにネットで見ていていいかなと思っていた物件で、オーナーが日本人なので人気がある。年間契約なら9,000ペソ位(2万弱)ちょっと狭いが、なんとウォシュレットがある! こんなの高級コンドミニアム以外ではセブにほとんどないだろう。オーナーが趣味で付けたのか。韓国や中国とも同じく下水道施設が軟弱なフィリピンではトイレに紙を流せないのでウォシュレットはありがたいが、やはりマクタン島というロケーションで見送った。残念無念。



2件見ただけでも大体の感じがリアルに伝わってきて収穫はあった。私たちが泊まっていた安ホテルよりはずっといい部屋だった。ちなみにセブではクローゼットやイスと机、ベッド、TV(ブラウン管の小型)、冷蔵庫などは大抵の部屋に備え付けになっている。あと、通常の物件ではバスタブは付いていない。温水シャワーとトイレが一緒になっているタイプがスタンダードだ。

日本でも沖縄なんか新しい物件以外はそういうのが多いし、フィリピンは常夏なのでシャワーだけで事足りる。水圧が低い物件が多いそうで、特にマクタン島では最初に要チェックのようだ。でもマクタンのホテルのシャワーを使っていて確かに日本ほどの水圧はないが不便は感じなかった。水圧なんかもすぐに慣れてしまうものだと思う。

今回、第一希望は語学学校の寮に入ることなので、本気で賃貸物件を探し始めるのは移住して3か月から半年たった頃になる。神さまが良い時期に良い住まいを備えていてくださるように、期待しておこう。