制裁を最も受けやすい国はどこか?

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【RT】2024年 5月19日 09:05 ホームビジネスニュース

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制裁の影響を最も受けやすい国が判明

 

英国、ドイツ、フランスの経済は、並行輸入の可能性がなく貿易関係が断たれた場合、最も打撃を受ける国のひとつであるとアナリストは主張する。

 

制裁の影響を最も受けやすい国の調査結果

 

米国、ロシア、中国の経済は、完全な貿易封鎖を比較的軽微な被害で切り抜けることができるが、ドイツ、フランス、英国は大きな打撃を受けるだろうと、ロシアのニュースメディア『ヴェドモスチ』は今週、中露貿易戦争影響評価研究所の研究を引用して報じた。

 

この研究は、2024年初頭に中国の国立スーパーコンピューターセンターで行われたもので、大規模な経済制裁に対する19の世界経済の回復力を数学的モデルを使って検証した。

 

アナリストたちは、並行輸入の可能性のない完全な貿易封鎖に直面した場合、各国が被るであろう国内総生産GDP)の直接的な損失を評価した。

 

調査の結果、提案されたシナリオではすべての国の経済が縮小するものの、一部の国は他の国よりも深刻な打撃を受けることが明らかになった。

 

ロシアは3.5%の経済縮小にとどまり、最も回復力のある国のひとつとなるだろう。

中国はGDPが3.1%減少し、アメリカは2.3%減少する。

 

一方、貿易関係が断絶された場合、ドイツ経済は8.1%縮小し、最悪の打撃を受けるだろう。

 

韓国(7.9%減)、メキシコ(7.2%減)、フランス(7%減)、トルコ(6.6%減)、イタリア(6%減)、イギリス(5.7%減)も大きなダメージを受けるだろう。

 

この調査では、オーストラリア、インドネシア、日本の経済が3.7〜3.8%縮小し、GDPがそれぞれ4%、4.2%、5.5%減少するインド、ブラジル、カナダよりも貿易制裁の影響を受けにくいことがわかった。

 

アナリストたちは、アメリカ、中国、ロシアの経済がストレステストで比較的良好な成績を収めたことを、条件付き国家能力総合指数と関連づけ、これらの国々は他の国々に比べて、天然資源や人的、科学的、軍事的潜在力が大きいと説明した。

 

ライファイゼンバンクのチーフ・エコノミスト、スタニスラフ・ムラショフは、この調査結果について、経済的制約に対処する場合、最も影響を受けない国が最も準備が整っていると指摘した。

 

「勝者は、一般論として、生産を現地化することで(制限に)備えた国、あるいは、例えば、輸入部品、部品、原材料、設備の一部を放棄できる国である。この調査から判断すると、ヨーロッパは中国、アメリカ、ロシアよりもグローバル市場に依存しているという可能性のあるテーゼが確認された」と彼はコメルサントのニュース日刊紙に語った。

 

ウクライナ紛争により、すでにさまざまな国際的経済制裁を受けているロシア経済は、2022年には当初1.2%縮小したが、公式統計によれば、昨年は3.6%の成長を記録した。

 

5月17日(金曜日)に発表された速報値によると、2024年第1四半期のGDPは前年同期比5.4%増となった。

 

国際通貨基金IMF)は先月、ロシア経済が今年3.2%拡大するとの見通しを発表した。この予測は、米国(2.7%)、英国(0.5%)、フランス(0.7%)、ドイツ(0.2%)など、欧米の主要経済国を上回るものである。