危険な世界に目覚めたカナダ

【WND】アラウンド・ザ・ウェブ 2024年5月18日 02:02

https://www.wnd.com/2024/05/canada-awakening-dangerous-world/

マシュー・ボンディ、リアルクリアワイヤー

カナダの国防に対する考え方が政府の公式方針によって更新された2017年以降、多くの変化があった。

 

ロシアは2014年のウクライナ侵攻を倍加させ、残酷な消耗戦を仕掛けてきた。

中国は、2027年までに台湾を香港のように食い尽くしたいと明言している。

 

イランは最近、イスラエルに対し、記憶にある限り初の国家間直接攻撃を開始した。

 

米国は、世界がより暗く危険になっていることを何年も前から知っており、トランプからバイデンに至る一連の政権は、米国の北の同盟国に対し、大陸と西半球の防衛を支援するためにもっと努力するよう促してきた。

 

遅かれ早かれ、カナダはそれに答えた。

 

数日前、カナダのビル・ブレア国防相は待望の国防政策アップデート(DPU)を発表した。このDPUは、2029年までにカナダの国防支出をGDP比1.3%から1.76%に引き上げることを約束した。

 

NATOの目標である国防費の対GDP比2%には及ばないものの、カナダの実質的な経済貢献度(NATO同盟に対するカナダの価値を示す真の尺度)はNATO同盟国中6位と健闘しており、DPUのおかげでさらに伸びている。

 

これはカナダの経済規模がNATOクラブの中でも比較的大きいためである。

 

しかし、政府の政策を追っている人なら誰でも知っているように、支出は必ずしもインパクトとイコールではない。その点、DPUはいくつかの点で正しい。

 

例えば、ブレアのDPUは、カナダと米国をロシアの空中監視や攻撃から守る北米航空宇宙防衛司令部の抜本的な近代化を可能にするために380億ドルを投資するという自由党現政権の公約に基づいている。

 

カナダが北極圏に位置し、ロシアと国境を接していることを考えれば、北米の技術と軍隊がロシアの偵察から我々の大陸の安全を確保するために、これは大いに役立つだろう。

ここに費やされる資金は、投資に対する実質的なリターンを意味する。

 

また、DPUは、カナダが現在保有する約80機のF-18ホーネット戦闘機を、米国と多くの同盟国がすでに導入しているF-35戦闘爆撃機に置き換えるというコミットメントを強調している。

 

この件に関しては、カナダは10年間も逡巡してきた末に遅れをとったが、北方諸国の重要な同盟国との相互運用性を考えれば、遅きに失するよりはましだ。

 

DPUはまた、カナダが老朽化したビクトリア級潜水艦の補充を約束したことに基づいている。トルドー首相は、将来の潜水艦防衛と監視の必要性を満たすため、原子力潜水艦を検討しているとまで主張した。

 

そうなれば、オーストラリア、英国、米国で構成される原子力潜水艦と技術協力のための新しい「AUKUS」クラブに加盟する資格が得られるだろう。

 

心強いことに、原子力潜水艦へのコミットメントがなくても、カナダの政府高官筋によれば、ブレアー大臣とその前任者であるアニタ・アナンドが最近行ったNORADと防衛へのコミットメントを強みに、カナダがこの条約の技術に焦点を当てた「柱2」に加盟することはすでに決まっているとのことだ。

 

ここまでは順調だ。キャッチはあるのか? 

そうだ。4月に発表された国防費の大部分は、2026年と2027年まで発動されない。言い換えれば、次のカナダ連邦選挙が終わるまでは、この支出は後退する可能性が高いということだ。

 

兵士が家族を養うためにフードバンクに頼ったり、派兵中に装備品を自分で買わなければならなかったりするなど、こうした緑の芽にもかかわらず、カナダの国防空間には深刻な腐敗が残っているのも事実だ。

 

また、DPUのさまざまな取り組みに関する説明には明確さがなく、多くのアナリストは、文書に概説されたさまざまな公約を実行するカナダの能力について懐疑的なままだ。

しかし、前進は前進であり、前進は常に歓迎される。

 

米国は、カナダの新しい国防政策更新を、カナダの防衛態勢強化に向けた頭金とみなすべきである。

 

アメリカは、カナダの言葉が行動となり、先送りされた支出が実際の投資となるよう見守るべきである。