円、対ドルで1%超の急伸 政策協議で

Yen jumps more than 1% against dollar on policy talk

日本経済新聞 Pixabay
【Insider Paper】AFPD2023年12月7日 5時05分 

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日本銀行の上田和男総裁が12月7日、金融引き締め観測を煽る発言をしたことで、円相場は対ドルで1%以上急騰した。

 

ブルームバーグ・ニュースが報じたところによると、上田和男総裁は「年末から来年にかけて、金融政策の取り扱いはさらに難しくなるだろう」と述べた。

 

日本円は12月6日(水曜日)深夜の1ドル=147.35円から、午後には145.54円まで上昇した。

 

他のほとんどの主要中央銀行は、物価を落ち着かせるために利上げキャンペーンを進めている。

しかし日銀は、世界第3位の経済を活性化させるために、借入コストをゼロ以下にするという長期的なプログラムからの転換を拒否している。

 

日本の政策担当者は数ヶ月前から、より正常化された政策を採用する意向をほのめかしてきた。例えば、国債の動きを許容する幅をコントロールするイールドカーブ・コントロール・スキームを微調整するような。

 

アナリストたちは、日銀の異常な政策は、債券市場を歪め、円安をもたらし、ひいては輸入品を割高にすることで経済に悪影響を及ぼしていると指摘している。

 

日銀の政策が引き締まれば、資金が逆流し、米国債や株式など他の資産に打撃を与える可能性がある。

 

ブルームバーグが報じたところによると、上田総裁は日銀の物価目標達成に向けた前進を示す新たな証拠は示さず、まだ十分な確証が得られていないとするこれまでの発言に大きく固執し、賃上げの必要性を指摘した。

 

「今はまだ出口について話す段階ではないかもしれないが、出口が来たときにスムーズに行くように、事前に情報を伝える努力をしていく」と上田氏は語った。

 

上田総裁の発言は、日銀副総裁の日美野亮三氏が政策引き締めが近づいている可能性を示唆し、利上げの潜在的な悪影響に対する懸念を打ち消した翌日に行われた。

 

日銀の次回の政策決定会合は12月19日に開かれる。