【米】バラ色の経済予測に耳を貸すな: 不況がやってくる

Don't Listen to Rosy Economic Forecasts: A Recession Is Coming

【PJMedia】2023年10月3日

https://pjmedia.com/news-and-politics/rick-moran/2023/10/03/dont-listen-to-rosy-economic-forecasts-a-recession-is-coming-n1731822

リック・モラン著

 

誰も不況を応援すべきではない。不況の矢面に立たされる庶民の痛みは、避けるべきものだ。

 

失業率は低く、人々はまだお金を使い、国内総生産は2.1%増と悪くない。

国内総生産は2.1%増とまずまずの伸びを示した。この数字に、安堵のため息をつくエコノミストもいた。景気は「ソフトランディング」する、と彼らは断言する。景気後退の心配はない。

 

しかし、他のエコノミストはそうは思わない。インフレ率がFRBの目標値である2%のほぼ2倍に達しているからだ。原油価格の高騰もある。原油は国際市場で88ドル以上で引け、年内に100バレルドルに達する可能性もある。

 

学生ローンの返済再開、自動車労働者のストライキ、銀行の融資基準引き締め、世界第2位の経済大国である中国が主導する世界的な景気後退など、すべてがFRBホワイトハウスに赤信号を点滅させている。

 

パンデミックによる貯蓄の目減りから金利の高騰、そして原油価格の高騰まで、経済に作用している他の強力な力にこれらの衝撃を加えれば、複合的な影響により、早ければ今年中に米国は景気後退に転じる可能性がある」とブルームバーグ・エコノミクスは報じている。

 

■■ 景気後退はブルームバーグ・エコノミクスの基本ケースである。

 

ソフトランディング "の予測についてはどうだろう?

「驚くほど規則正しく、ソフトランディングの声はハードランディングが起こる前にピークに達する」とブルームバーグは報じている。

 

多くのエコノミストは、「経済で次に起こることは、すでに起こったことの延長線上にある、専門用語でいう直線的なプロセスだ」と思い込んでいる。しかし、景気後退は非直線的な出来事である。

 

経済の健全性を測る重要な指標である失業率に焦点を当てた例を挙げよう。FRBの最新予測では、失業率は2023年の3.8%から2024年には4.1%へと上昇する。

 

しかし、トレンドが崩れた場合、つまり経済が急降下するような突然の変化が起きた場合はどうだろうか?

ブルームバーグ・エコノミクスは、このような非線形性を考慮したモデルを用いて、失業率の最も可能性の高い経路だけでなく、その経路周辺のリスク分布も予測した。

 

重要なのは、リスクが失業率の上昇に大きく偏っていることだ。

 

インフレを抑制するための高金利は機能している。しかし、ほとんどのエコノミストが予想したように、高金利は経済成長を大幅に鈍化させるだろう。失業率の上昇やその他の要因から、ブルームバーグは依然として景気後退の可能性があると見ている。

 

2022年初頭から525ベーシスポイントも上昇した高金利が経済に与える影響には18~24ヶ月のタイムラグがあることを考えると、この高金利が実感できるのは今年末かそれよりも早い時期だろう。

 

最終的な分析では、景気後退は予測に「見え隠れ」している、とブルームバーグは言う。

 

ブルームバーグ・エコノミクスは、これらの重要な数値のコンセンサス予測を用いて、委員会の意思決定プロセスをリアルタイムで模倣するモデルを構築した。このモデルは、過去の予想とほぼ一致している。

 

今後の見通し 来年のいつか、NBER(全米経済研究所)が2023年末に米国の景気後退が始まったと宣言する可能性は互角以上だ。

 

要するに、景気後退を決定するアメリカにとって最も重要な指標を見れば、そして多くのアナリストがその方向性を考えれば、景気後退はすでに始まっているのだ。

 

このままでは、ホワイトハウスからポリアンナ的な経済報告がたくさん聞かれるようになるだろう。しかし、壁には文字が書かれている。金利原油価格、銀行の融資基準の厳格化、これらはすべて将来の景気後退の前兆である。

 

誰も不況を応援すべきではない。不況の矢面に立たされる庶民の痛みは避けなければならない。しかし、パンデミックのために経済を封鎖し、経済への影響を本来よりもはるかに悪化させた政策立案者たちは、自分たちがまいた種を刈り取ろうとしている。

そして、責任の大部分は彼らにあるはずだ。