リチウム・ラッシュ:明日の需要に対応できるか?

         

タイラー・ダーデン【ゼロヘッジ】2023年11月4日(土)午前10時40分

https://www.zerohedge.com/technology/lithium-rush-can-we-meet-tomorrows-demand


リチウムは、世界で最も重要な天然資源のひとつであり、持続可能なエネルギーへの取り組みの中心的存在である。

 

ヴィジュアルキャピタリストのアラン・ケネディとアスール・アレクサンダーは、エナジーX社の提供で、2030年までに世界で3億5,000万台以上のEVが販売されると予想される中、我々は明日のリチウム需要を満たすことができるのか?

 

■■ 明日のリチウム問題に対処する

 
EV用バッテリーの動力源となるリチウムは、塩水や硬い岩石の色とりどりのプールに含まれる化合物から精製され、その量は炭酸リチウム換算(LCE)で測定される。

 

そのため、世界中で生産されている膨大な量のEVに電力を供給するには、安定した信頼性の高いリチウムの供給が必要となる。

 

しかし、2030年までに年間最大20%の需要増加が予測されており、現在のリチウム供給量では需要を満たすことができず、2倍近い量が必要となる。

 

■■ 解決策の模索


リチウムの需要が供給を大幅に上回る主な理由のひとつは、従来のリチウム抽出方法が時間がかかり、時代遅れで、環境に悪影響を及ぼすことが多いからである。

 

しかし、直接リチウム抽出(DLE)と呼ばれる新しいリチウム抽出方法が、供給問題を解決する可能性がある。

 

DLEはリチウム回収率90%を誇り、従来のプロセスを300%上回る。また、このプロセスは、カリフォルニア州アーカンソー州のスマックオーバー地域など、これまで未開拓だった資源からのリチウム抽出を可能にする。

 

さらに、DLEは非常に効率的で、通常18ヵ月かかるリチウム鉱床の処理にわずか2日しかかからない。また、従来は1トンのリチウムを生産するのに220万リットル以上の淡水が必要であったのに対し、DLEではごく少量で済むため、環境にも優しい。

 

■■ 前進への道


対策を講じなければ、2030年までに、クリーン・エネルギーへの転換と国連の持続可能な開発目標を合わせた需要を満たすだけのリチウムは確保できないだろう。

 

しかし、エナジーXのような先駆的企業によるDLEの進歩は、需要を満たし、より持続可能な未来への移行を確実にするのに役立つだろう。