カンザス州に新しく建設される電気自動車用バッテリー工場は、非常に多くのエネルギーを必要とするため、同州は十分な電力を確保するために石炭工場の閉鎖を延期している。
【Cowboy Statedaily】ケビン・キロー著 2023年9月22日 02:32 PM
カンザス州デ・ソトに建設される40億ドルのパナソニック電気自動車用バッテリー工場は、バイデン政権が推進するEVの普及に貢献するだろう。
また、石炭火力発電所の延命にも役立つだろう。
■■ 資源の有効活用
パナソニックは昨年、この施設の建設に着工した。この日本企業はインフレ削減法から68億ドルを受け取る予定だった。
インフレ削減法は、アメリカを化石燃料から脱却させる努力の一環として、電気自動車とバッテリー工場に数十億ドルを注ぎ込んでいる。
カンザスシティ・スター紙によると、この工場の操業には200~250メガワットの電力が必要になるという。これは小さな都市に必要な電力量とほぼ同じだ。
ワイオミング州の公共サービス委員会に相当するカンザスシティ企業委員会での証言で、工場に電力を供給する電力会社エヴァジ―の代表者は、400万平方フィートのパナソニックの施設は「資源十分性の観点から短期的な課題」を生じさせると述べたと同紙は伝えている。
その結果、同電力会社はカンザス州ローレンス近郊の発電所で石炭の燃焼を継続し、同発電所のユニットを天然ガスに移行するプラントを遅らせることになる。
■■ 不満
環境保護主義者たちはこのことに満足していない。
この状況は、EVについて無視されている事実を反映している。
15ポンドのリチウムイオンバッテリーは、1ポンドの石油と同量のエネルギーを保持する。
そのバッテリーを作るには、バッテリーの材料となる鉱物を得るために7,000ポンドの岩と土が必要だ。平均的なEV用バッテリーの重さは約1,000ポンドである。
採掘と工場での加工はすべて、ガソリン車よりも多くの二酸化炭素を排出するため、二酸化炭素排出量が正味で削減されるまでには、EVは約5万~6万マイル走行しなければならない。
そのため、EVメーカーに供給するための工場が米国内に増えれば増えるほど、送電網への電力需要が増えることになる。
■■ 高まる認知度
アメリカ石炭協議会のCEOであるエミリー・アーサンは、今週ワシントンD.C.で連邦議員や連邦エネルギー規制委員会のメンバーと話をした。
ジレット在住のアーサン氏は、ベースロード電力を供給する石炭の必要性が認識されつつあるとカウボーイ・ステートデイリー誌に語った。
「人々が話しているよりも遥かに長い間、石炭が必要だということを理解している上院議員や下院議員に会った」とアーサンは語った。
インフレ削減法は、アメリカ国内でより多くのグリーンエネルギー産業を生み出すことを目的としており、アーサンは、これらの産業がエネルギーを大量に消費するものであるという認識が広まってきていると語った。
「人々はエネルギー需要が増加していることを理解し始めており、早すぎる(石炭火力発電所の)閉鎖は負債なのです」とアーサンは言う。
■■ 豚に口紅
サイラス・ウェスタン議員(ビッグホーン選出)は、信頼性の高い送電網を作るためにエネルギーがどのように生産されているのか、多くの人が知らないとカウボーイ・ステートデイリー誌に語った。
「キロワットは空から降ってくるものではありません」
アメリカの工業生産能力のためのエネルギー需要に加え、これらすべての自動車を充電するための送電網への需要も増えるだろう。
「その電力はどこからか供給されなければならない。太陽光発電所や風力タービンから来るのではないのです」
ウエスタン氏は、自然エネルギーは「補助的な補助電力」の素晴らしい供給源であるが、信頼できるエネルギー供給を保証する強固なベースロードがなければ、自然エネルギーは機能しないと述べた。
このような現実を、まだ受け入れたくない人もいる。
「この政権は豚に口紅を塗りたがるが、豚であることに変わりはない」