ロシア産ダイヤモンドへの制裁は、世界の宝飾品市場を混乱させる可能性がある - アナリスト

宝石はこれまで、国際的な規制からほとんど免れてきた


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【RT】2023年5月15日

https://www.rt.com/business/576192-russia-diamonds-sanctions-price-hike/

 

これまで、ロシアのダイヤモンド原石の輸入は、米国によって禁止されてきた。

 

同時に、ワシントンは、ロシアで採掘された宝石が他の国で大幅に加工されている場合は、依然として輸入している。

 

英国、カナダ、ニュージーランドもこれに続き、ロシアの鉱山大手アルローザに対して同様の措置を採った。

 

欧州連合EU)とG7は、国境を越えてロシアのダイヤモンドを狩る新しい方法を模索してきた。

 

しかし、この措置案は、世界最大のダイヤモンド取引拠点であるアントワープを擁するベルギーなど、宝石の主要輸入国から強く反対されている。

 

経済複雑性観測所のデータによると、世界最大のダイヤモンド原石生産国であるロシアは、宝石の輸出で約47億ドルを稼ぎ出し、世界第8位の輸出国となっている。

 

キャピタルエコノミックスの商品エコノミストエドワード・ガードナー氏はCNBCに、「ロシアが単に輸出を非参加国に振り向ける可能性があるという明確なリスクがあるため、この議論は以前から続いている」と指摘した。

 

「しかし、もし制裁が回避を困難にするような形で実施されれば、市場に出てくるロシアの供給が減り、価格が上昇することが予想される」

 

また、この措置の反対派は、宝石を追跡する世界的なシステムを構築せずに制裁を課しても、貿易がロシア原油と同じようにインドや中国などの他の市場に簡単に移行してしまうので、無意味だと主張している。

 

現在EUで議論されているウクライナ関連の制裁措置の最新パッケージは、ロシアのダイヤモンドを対象にすることはないだろう。