EU、反ロシア制裁第10弾の対象国を模索

ブリュッセルは、ロシアの核産業とダイヤモンド取引を対象とする、次の一連の制裁措置に取り組んでいるとされる

 

ロシア、ノボボロネジ原子力発電所の全景

© Sezgin Pancar/Anadolu Agency/Getty Images

 

【RT】2023年1月13日

https://www.rt.com/business/569836-eu-russia-tenth-round-sanctions/

 

ポーランドリトアニアは、ウクライナ紛争をめぐるモスクワへの制裁措置の第10弾として、ロシアの原子力産業に制限を課すようEUに求めていると、ロイター通信が1月13日(金曜日)、EU2カ国の上級外交官を引用して報じた。

 

キエフは、ロシアの国営原子力発電所であるロスアトムに制裁を加えるよう、27カ国からなるEUに繰り返し要求しているが、この動きはハンガリーや他のEU加盟国によって阻止されてきた。

 

これまで無認可だったロシアの原子力産業は、欧州の多くの発電所の稼働に不可欠な存在である。

世界原子力産業現状報告書によると、2022年半ば時点で世界で建設中の53基の原子炉のうち、20基がロスアトムによって建設されており、そのうち17基はロシア国外にある。

 

EUの東側では、ブルガリアチェコハンガリーなどの国々が、必要な電力の最大半分を生産する発電所の運営をロシアからの原子力ノウハウに大きく依存している。

ハンガリーにはロシア製の原子炉が4基あり、さらに2基をロスアトムが建設する計画を持っている。

 

ロイター通信によると、EUは、ロシアの原子力産業との協力を縮小する最初のステップとして、ロスアトムの指導者をブラックリストに載せるという提案を検討しているとのことである。

 

EUは、2月24日までにこの措置を象徴的に実施することを急いでいる。その他の罰則として、ロシアの銀行をスウィフト・グローバルメッセージングシステムから切り離すことや、同国のメディアをさらに禁止することなどが挙げられている。

 

一方、スウェーデンのラース・ダニエルソンEU常駐代表を含む多くの欧州当局者は、ロシアに対する新たな罰則を採用することが、ますます難しくなってきていることを認めている。

 

ある外交官はロイターに対し、「さらなる制裁措置に必要なEU内の全会一致を得ることはますます難しくなっている」と語った。

 

第10次制裁パッケージでは、EUは、ロシアの輸出禁止品目にダイヤモンドを追加し、軍事目的に使用できる物品の貿易禁止を拡大することも提案すると報じられている。