ドイツ: ウクライナ懇願も戦車は決定せずと発言

Germany says no decision on tanks despite Ukraine pleas

ドイツはウクライナの嘆願にもかかわらず、戦車については決定していないと述べた出典: Pixabay


【Insider Paper】AFPJ2023年1月20日 10時30分

https://insiderpaper.com/germany-says-no-decision-on-tanks-despite-ukraine-pleas/



ドイツは1月20日(金曜)、米国が主導するウクライナへの軍事支援強化に関する重要な会議で、ヴォロディミル・ゼレンスキー大統領の感情的な嘆願にもかかわらず、キエフが求める戦車についてまだ何も決定していないと発表した。

 

ドイツのラムシュタイン空軍基地で開催される会議を前に、欧州諸国からの圧力が強まる中、ウクライナの西側同盟国がドイツ製レオパルド戦車の送付に同意するのではないかとの期待が高まっていた。

 

しかし、ドイツのボリス・ピストリウス国防相は、イベントの傍らで記者団に対し、「レオパルド戦車に関して、いつ、どのような決定が下されるかはまだ言えない」と述べた。

 

また、ドイツだけが戦車の納入を妨害しているという非難を否定した。

また、「連合軍があり、ドイツが邪魔をしているという印象は間違っている」と述べた。

 

ピストリウス氏は、納品に前向きな決定がなされた場合、迅速に対応できるようレオパルドの在庫を確保するよう命じたと付け加えた。

 

キエフはロシア軍に対する攻勢をかけるために強力なレオパード戦車を望んでいるが、クレムリンは西側諸国による納入は「極めて危険な」エスカレーションに相当すると警告している。

 

ドイツが戦車の供給を躊躇しているため、フィンランドポーランドなど他の国々からベルリンへの激しい批判が起こっている。

 

彼らはレオパードを独自にストックしているが、それを送るにはドイツの承認が必要なのである。

 

ゼレンスキー氏は1月20日(金曜日)、50カ国から代表者が集まった会議で、ウクライナへの武器供与を「早める」よう、西側同盟国に改めて訴えた。

 

ウクライナの指導者は、「戦車の数について交渉するのではなく、悪を阻止するための主要な供給を開始する」ことが必要だと述べた。

 

 

■■ 決定的な瞬間

 

ゼレンスキー氏は、この会議を「戦車のラムシュタイン」にしようと述べ、今後の会議では「F-16と長距離ミサイルのラムシュタインとして歴史に名を残す」よう呼び掛けた。

 

会議の主催者であるロイド・オースティン米国防長官は、ロシアが「弾薬を使い果たし、大きな戦闘損失を被っている」と指摘し、同盟国に対し、重要な時期に兵器でウクライナを支援するために「さらに深く掘り下げる」よう促した。

 

「これはウクライナにとって決定的な瞬間である。ウクライナ国民は我々を見ており、クレムリンも我々を見ており、歴史も我々を見ている」とオースティン氏は述べた。

 

これに対してクレムリンは、西側諸国はウクライナが戦場で勝てるという「劇的な妄想」を抱いていると非難し、紛争は「上昇スパイラルで進行している」と付け加えた。

 

ラムシュタイン会談を前に、西側諸国は新たな武器輸送を相次いで提案した。

 

フィンランドは1月20日(金曜日)に、重砲や軍需品を含むこれまでで最大の4億ユーロ(4億3300万ドル)の軍事援助を発表した。

 

アメリカやイギリスなどの同盟国が、ラムシュタイン会談の前夜に新たな武器の大量輸送を発表した後である。

 

国防総省は、ブラッドレー戦闘車、装甲兵員輸送車、防空システム、数万発のロケット弾や砲弾など、ウクライナ軍に25億ドル相当の物資を提供することを発表した。

 

しかし、ウクライナが求めていたATA長距離ミサイルは含まれていなかった。

 

このミサイルは最大300キロの距離を飛ぶことができ、ウクライナは現在のHIMARSロケットシステムでは届かない、前線のはるか後方にあるロシアの補給路や基地を攻撃することが可能になる。

 

 

■■ 国連輸送船団がソレダルに到着

 


ロシアのウクライナ侵攻からほぼ1年、ここ数カ月で最も激しい戦闘は、東部のドネツク地方を中心に展開されている。

 

ウクライナ支配下にある工業地帯の都市クラマトルスクで、AFPの記者は、2階建ての校舎に対するロシアの攻撃の余波を目の当たりにした。

 

戦争が始まる前は250人の生徒と70人の職員がいた幼稚園の前に、この攻撃で大きなクレーターができた。

 

小さな火事を起こし、窓ガラスを割った爆撃の破片が園庭に散乱し、校舎のカラフルな壁画の近くに横たわっていた。

 

幼稚園の副園長マルガリータ・オレクサンドリヴナさんはAFPに、「こんな建物を見て、元のように戻すのにどれだけのお金と時間がかかるか、考えるのはつらい」と語った。

 

クラマトルスクから約60キロ離れたソレダールでは、激しい戦闘で大部分が瓦礫と化した町に、国連の最初の人道支援車列がようやく到着した。

 

ロシアはソレダールを占領したと主張していますが、ウクライナは、双方が大きな損失を被った戦闘は継続中であると主張している。