【フリーウエストメディア】2022年11月2日
https://freewestmedia.com/2022/11/02/cost-of-energy-hampering-austrias-only-salt-producer-2/
エベンゼーに本社を置くサリネンAGは、オーストリア唯一の製塩会社である。
エネルギーの大幅な値上げのため、生産量は20%削減された。
ドイツでは、下水処理のエネルギー不足を補うために基準が引き下げられ、きれいな水に頼れなくなったのと同じように、オーストリアで唯一の塩の生産者が問題に直面している。
CEOのピーター・ピーター・ウンタースペルガー氏は、ロシアに対する自殺行為の制裁を止めるよう求めた。
製塩所ではすでに塩の値段を12%上げているが、実際にはコスト増で困らないように、いいとこ30%くらいは上げるべきだろう。
なぜなら、ガスの在庫がだんだん減ってきて、大量に増えた市場価格で買い足さなければならないからだ。
そのため、当初は年末までに20パーセントの減産を行う予定だ。
CEOのピーター・ウンタースペルガーは、特に政治家に対して厳しい。
彼は、ドイツがノルドストリーム2を開通させ、ヨーロッパに十分なガスが流れ、市場価格が再び下がるようにすることを要求している。
■■ 制裁で利益を得るアメリカ人
サリネCEOは、ロシアに課せられている制裁についても、あまり考えていない。
「しかし、ドイツとオーストリアは「自分たちの足を引っ張る」ことになる。
「事前に非常に大きな間違いを犯した」のだから、EUにも責任があると彼は考える。
彼はこう説明した。
「ウクライナにNATO加盟を持ちかけるべきではなかったが、今や欧州の面目を失うので後戻りはできない」。
また、ドイツとの「大規模な競争の歪み」につながる政府とCO2税についても批判した。
「ドイツの競争相手には金がばらまかれるのに、われわれ馬鹿は干されて、1メガワットに400ユーロも払わなければならない」とウンタースペルガーは言った。
■■ オーストリアの信用格付けがダウン
オーストリアのガス供給はロシアに依存している。にもかかわらず、政府はブリュッセルからの自殺的な制裁措置にことごとくサインしてきた。
このため、必然的に70年ぶりの高インフレとなり、格付け会社フィッチも、オーストリアの格付けを引き下げた。
以前の格付け「AA+」が確認されたとしても、フィッチは将来を楽観視しておらず、格付けの見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げた。
つまり、長期外貨建て債券が割高になり、同国の国際信用格付けが間もなく急落する可能性があるということだ。
破滅的な鎖国と制裁政策のクッションとして、膨張したマネーサプライを贅沢に使っていることから見て、これはオーストリアにとって悪いニュースである。
3月の時点で、負債は3500億ユーロに達し、国の借金は国内総生産の70%以上に達していた。
オーストリアの国家債務は、「破綻」したギリシャとほぼ同額である。
フィッチも来年度の景気後退を予測しており、実質的にスタグフレーションの罠に陥っている。
つまり、経済が縮小すると同時に、通貨が大量に下落するのである。このことは、オーストリアが頼りにしていた経済予測が完全に間違っていたことを改めて示している。
実は、今回の格下げは、制裁支持に直結している。フィッチは、オーストリアのロシア産ガスへの依存度が高すぎると訴えた。