【フィリピン】ロシア紛争がアジアに波及した場合、米軍に門戸を開く国

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2019年5月、東京で開催された会議で演説するフィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領。© Getty Images / Tomohiro Ohsumi

 

フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領は、ウクライナ危機をめぐるアメリカ主導のロシアとの戦いで軍事的な立場を選び、紛争が熱戦に発展してアジアに広がった場合、要請に応じてアメリカ軍を受け入れることを約束した。

 

ドゥテルテは米軍に要求されたあらゆる施設を開放する用意があると、ホセ・マヌエル・ロムアルデス駐ワシントン大使は3月10日(木曜日)、マニラで記者団に語った。

 

この支援には、フィリピンのあらゆる資産を「制限なく」使用することが含まれると、特使はドゥテルテ氏が先週の会合で述べたことを引用して述べた。

 

「フィリピンの支援を求めるのであれば、いざとなれば、フィリピンは特にウクライナの危機がアジア地域に波及した場合の取り組みの一部になる用意があると、彼ははっきりと言った」とロムアルデス氏は述べた。

「フィリピンは、特に同盟国であるアメリカに対して、我々の施設や必要な施設を使用するために門戸を開く用意がある」と彼は言った。

 

米国とNATOの同盟国は、ウクライナへの攻撃に関して厳しい経済制裁を課し、ロシアを孤立させようとしているが、モスクワとのより広い戦争は避けようとしてきた。

ウラジーミル・プーチン大統領は、ウクライナに飛行禁止区域を宣言するなど、ロシアとの直接的な戦争とみなされるような介入を警告している。

 

ドゥテルテは2016年の就任以来、ワシントンとは不安定な関係にあり、米国の政策を批判し、ロシアや中国とより強い関係を築こうとしている。

彼は、米軍が東南アジアの国で訓練することを認めているマニラのワシントンとの訪問部隊協定を終了させると脅していたが、昨年、より大きな支援策を交渉した後に引き下がった。

 

ロムアルデス大使は、対ロシア戦争でアメリカ軍を支援するという申し出は、アメリカとフィリピンのどちらかが他国から攻撃された場合、互いに防衛することを義務付けた1951年の相互防衛条約を遵守するものだと述べた。

 

国防総省が役に立つと思う施設には、クラーク港とスービック湾のフリーポートがある。ここは、1990年代初頭にフィリピンに譲渡されるまで、アメリカが海外最大の軍事基地を2つ持っていたところだ。

 

米国当局は、ホワイトハウスで東南アジアの同盟国の大使と安全保障会議を開き、ロシアへの制裁について議論する予定であるとロムアルデス氏は語った。

ジョー・バイデン大統領も3月28日に東南アジアの首脳を招き、会議を開くという。大使は、フィリピンの選挙シーズンが加熱していることもあり、ドゥテルテは出席できないかもしれないと述べた。

 

大統領選挙は5月9日に行われ、ドゥテルテの6年間の任期は6月30日に終了する予定である。

同国の元独裁者の息子であるフェルディナンド・マルコスJr.が最有力候補となっている。

彼の伴走者はドゥテルテの娘、サラ・ドゥテルテである。

マルコス・ジュニアは先週、ロシアにウクライナの主権を尊重するよう求めたが、以前、フィリピンが紛争の片棒を担ぐ必要性を感じないと発言し、批判を浴びたことがある。