No Rice, No Life

フィリピン人の人生にとって大事なもののかなり上位に来るのが“ご飯(=お米)”だ。
日本を含めアジアの広範囲でお米が主食として食べられているが、フィリピン人ほどお米にこだわっている人たちはいないかもしれない。しかも質ではなく量に……。

おかずについてはこだわらないが毎食米を食べないとどうも気が済まないらしい。
昨日隣のロザーリオと立ち話をしていて、イギリスに看護師として移住した2人の娘さんの話が出た。最初の頃、娘さんからこんな切羽詰まった電話がかかってきたという。
“ママ、ママ、お腹がすいた!こっちにはご飯がないの!”

お米がなくたってイギリスにも食べ物はいろいろあるだろうに、しかもいい大人が米がないからってお腹が減ってお母さんに国際電話って……。
ははは、なんだそれと思いながら聞いていたが、パンとかジャガイモとかが主食である現地では米はフィリピン食材店かなんかにいかないと普通に暮らしていては食べられなかったそうだ(今からかなり前の話だと思うので)。

その後、炊飯器を入手し現地でお米を買い、問題は解決したらしいが、この娘さんに限らず確かにフィリピン人は米こそが生きる糧と思っている感じはある。米を炊く量が毎回すごい。
聞くとおかずはどうでもいいらしい。小さい魚の干物一つでも、ご飯がいっぱいあればそれでいいそうだ。
フィリピン人のおかず(おやつも)のレパートリーは確かに少ない。食べ物にすごい保守的だと思う。どの食堂、総菜屋でも同じものしかない。
(日本人程いろいろなものを日常的に食べている民族はいないのかもしれないけど。)

あとロザーリオ曰く、フィリピン人は朝・昼・晩の3食に加え、朝10時と昼3時のおやつは必須だそうで、1日5回は食べているそうだ。こっちは朝が早いので朝ごはん2回という話もよく聞いた。
うちの畑の柵を造ってくれたグレッグさんも仕事の条件として10時・3時のおやつを出してくれと言ってたし、いい大人の男がそういうんだから日本人が思う以上に必須なんだろうと思う。

日本人は何回食べているんだというので、私なんかは日本でも今でも1.5食くらいで朝・昼兼用と夜ご飯しか食べないかなーと言うと、そんなんで足りるのかと不思議がっていた。
自分たちフィリピン人は炭水化物の取りすぎでみんなお腹が出ているけど日本人はあまり食べないからお腹が出ていないんだなとも言っていた。
……分かってはいても、きっとご飯は減らせないんだろうなと思った。