米国のインフレ率は緩やかに上昇、個人消費は冷え込む

A man arranges produce at Best World Supermarket in the Mount Pleasant neighborhood of Washington, D.C., U.S., August 19, 2022. REUTERS/Sarah Silbiger/File Photo

ロイター/サラ・シルビガー/写真
【OAN】2024年7月26日 - 7:04 AM PDT 

https://www.oann.com/business/us-inflation-rises-moderately-consumer-spending-cools/

6月の米物価は、モノの価格下落がサービスの価格上昇を抑え、緩やかに上昇した。


商務省が7月26日(金曜日)に発表した報告書でも、先月の個人消費の鈍化が示された。

 

物価上昇圧力の緩和と需要の冷え込みの兆候は、インフレが米中央銀行の目標である2%に向かっているというFRB当局者の自信を高める可能性がある。

 

LPLファイナンシャルのチーフ・エコノミスト、ジェフリー・ローチ氏は、「インフレは引き続き緩やかで、FRBの目標に近づいている。

今度の会合では、FRBが9月の会合で利下げを行う理由の一つとして、雇用の減速を強調すると予想される。

 

FRBは次の政策会合を7月30-31日に開催する。

米商務省経済分析局が発表した個人消費支出(PCE)価格指数は、5月の横ばいの後、先月は0.1%上昇した。商品価格は5月に0.4%下落した後、0.2%下落した。


自動車・部品価格は0.6%下落した。家具・耐久消費財は3ヵ月連続で下落したが、その他の長持ちする製品は1.8%上昇した。

 

ガソリンとその他のエネルギー製品の価格は、5月の3.4%下落の後、3.5%下落した。衣料品と履物は2ヶ月連続で安くなった。

 

しかし、サービス・コストは0.2%上昇し、5月の上昇率と同じだった。

住宅費と水道光熱費は、前月よりペースは落ちたものの増加した。金融サービスや保険料も上昇したが、運輸サービスは3ヵ月連続で下落した。

 

6月までの12ヵ月間、PCE価格指数は2.5%上昇した。これは過去4ヵ月で最小の上昇率で、5月の2.6%上昇に続くものだった。


変動の激しい食品とエネルギーを除いたPCE価格指数は先月0.2%上昇した。これは5月の0.1%上昇(未修正)に続くものだった。6月までの12ヶ月間、いわゆるコアPCEインフレ率は2.6%上昇し、5月の上昇率と同じだった。


ロイターの世論調査では、6月のPCEとコア・インフレの両方が0.1%上昇すると予測していた。

 

7月26日(木曜日)に発表された国内総生産GDP)データで、第2四半期のコア・インフレ率が予想を若干上回ったことを受け、一部のエコノミストはコアPCE価格指数の予想を0.2%に引き上げた。ヘッドラインPCEインフレ率の予想はほとんど変化なし。


■■消費減速


FRBが2022年と2023年に積極的な金融引き締めを行ったことを受けて、経済における需要は冷え込んでいる。

 

経済成長率は、2023年下半期の4.2%に対し、今年上半期は平均2.1%だった。


インフレデータの発表後、米国債利回りは低下し、ドルは対通貨バスケットで小幅に下落した。


中央銀行は昨年7月以来、指標となる翌日物金利を現在の5.25%~5.50%の範囲で維持している。2022年以降、政策金利を525ベーシスポイント引き上げている。


インフレの沈静化と労働市場の緩和により、金融市場は今年9月から3回の利下げを予想している。

米国経済活動の3分の2以上を占める個人消費は、5月の0.4%増に続き、先月も0.3%増となった。

 

インフレ調整後では、個人消費は5月の0.4%増の後、0.2%増となった。所得の伸びが鈍化しているため、消費は引き続き緩やかなものになりそうだ。

 

個人所得は5月の0.4%増の後、先月は0.2%増となった。賃金は5月に0.6%上昇した後、0.3%上昇した。貯蓄率は5月の3.5%から3.4%に低下した。


このデータは第2四半期GDP速報に含まれており、経済成長率は年率2.8%で、第1四半期の1.4%から倍増した。