EUの「グリーン・ディール」政策に抗議し、ポーランドの農民がウクライナとの国境を封鎖

【Natural News】2024年2月13日  ベル・カーター著

 https://www.naturalnews.com/2024-02-13-polish-farmers-protest-against-eu-green-deal-policies.html

2月9日、ポーランドの農業従事者数千人が、ウクライナへの国境を封鎖し、250箇所を封鎖して1ヶ月に及ぶ全国ストライキを開始した。

 

農業従事者たちは、欧州連合EU)のイデオロギー主導の「グリーン・ディール」政策と、ウクライナの国際農産物保有地からの農産物で欧州市場が氾濫していることに抗議している。

 

ソーシャルメディアに流れている動画や画像には、ウクライナのいくつかの国境や高速道路にトラクターの長い列ができている様子が写っている。ワルシャワの警察は、特にウクライナとの国境で交通警報を出した。

 

「もう我慢の限界だ」と農民たちは語った。

 

ウクライナの農産物輸入に対する欧州委員会の姿勢とは別に、ポーランド当局の無為無策欧州委員会への協力宣言、さらにポーランド政府がウクライナからの農産物・食品の輸入に関するすべての決定を尊重すると発表したことで、大規模な蜂起を宣言するしかなくなった。

 

「私たちは同胞に、自分たちが置かれている状況への理解と自覚を求める。私たちは、共通の利益のために戦っています。それは、ポーランドの家族経営の農家(多くは数世代に渡る)の崩壊と破産を防ぐことです。可能な限り、影響を受ける地域への移動を避けるようお願いします」と、農民たちは抗議行動が始まる前に述べた。

 

このストライキのため、ポーランドの政治家たちはEUヤヌス・ヴォイチェコフスキ農業担当委員に辞任を求めた。

 

「ヨーロッパには、彼が提案した改革に反対し、ヨーロッパとポーランドの農民を団結させた人物がいる。それがヤヌス・ヴォイチェホフスキだ。辞任しろ!」と副首相のウラジス?

 

前政権与党「法と正義」(PiS)のヤロスワフ・カチンスキ党首も同様にヴォイチェフスキ委員を批判し、個人的に辞任を求めると述べた。

 

これに対し、ヴォイチェホフスキ氏はポルサット・ニュースの取材に対し、電話には出ていないし、見ていないと述べた。また、ウクライナからの輸入に反対した唯一の委員であると、自身の記録を擁護した。

 

ロイターの報道によると、欧州議会が支援する調査によると、EUが2050年までにネットゼロ排出目標を達成するためには、年間1兆5000億ユーロの投資が必要になるという。

 

今週、欧州委員会EUに対し、2040年までに1990年比で排出量を90%削減するよう勧告する予定である。また、2050年までに欧州の純排出量ゼロを達成するために必要な大規模な投資についても概説する予定である。

 

一方、ポーランドの農民で構成される別の組織は、ウクライナとの重要な国境を封鎖したが、左派・リベラル派の新政権が要求に同意したため、抗議活動は1月6日に中断された。

 

■■イタリアとスペインの農民もこれに続く


ヨーロッパの反対側では、イタリアとスペインの農民もEUの農業政策に反対する継続的な抗議行動に参加している。

 

イタリアでは、2月9日(金曜日)の朝、トラクターの小さな車列が、警察のパトロールに護衛されながら、ローマの歴史的中心部を横切ってコロッセオまで移動した。

 

農業労働者たちは、不満を表明するため、永遠の都の外やイタリア全土で何日も平和的に抗議行動を続けている。

 

イタリアのジョルジア・メローニ首相は、政府はすでに農民たちの重要な要求のいくつかに対処していると述べた。

 

メローニ首相は、EUのポストパンデミック(大流行)復興基金のイタリア分として、すでに30億ユーロを追加計上し、農業部門に充てる資金を80億ユーロに引き上げたと強調した。

 

閣僚と主要農業団体の代表者数名との懇談会では、抗議デモの代表者は欠席したが、彼女はまた、2017年から施行されている農家への所得税免除を、低所得者に限って延長することに同意した。

 

しかし、イタリアの農民の多くは、大規模な農業団体に代表されていると感じていないと不満を漏らしている。

 

2月9日(金曜日)の後半、数名の抗議者代表がフランチェスコ・ロロブリジーダ農相と個別に会談したが、この動きによって、数百台のトラクターからなる新たな車列がローマの主要高速道路環状線で行進を開始するのを止めることはできなかった。

 

一方、スペインの農民たちも抗議の声を上げた。EUの政策とは別に、消費者物価が高騰する一方で、大手スーパーマーケットの卸売業者が商品に対して適正な価格を支払うことを保証することを目的とした法律が施行されていないと主張した。

 

デモは今後数週間続くと見られており、2月21日には首都で大規模な抗議デモが組織される予定だ。スペインの複数のメディアは、デモの多くが保守派や強硬派のグループによるものだと報じている。

警察によると、今週のデモで20人が逮捕されたという。