これまで以上に需要が高まる石炭 - IEA

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【RT】2023年12月16日

https://www.rt.com/business/589140-global-coal-demand-record/2023

年末までに生産量と販売量が過去最高に達すると予測

 

国際エネルギー機関(IEA)が12月15日(金曜日)に発表した「石炭2023」報告書によると、世界の石炭需要は今年、歴史的な高水準に達するという。

 

同機関は、2023年末までに世界の石炭需要が1.4%増加し、史上初めて85億トンを突破すると見ている。

 

たとえばインドと中国では、水力発電の生産が不十分な中で電力需要が伸びていることが主な要因となって、それぞれ8%と5%の伸びが見込まれている。

 

化石燃料である石炭の生産量も、今年は歴史的な高水準に達する見込みで、世界の供給量の70%を占める3大石炭生産国である中国、インド、インドネシアが共同で25億トン以上の生産量を達成すると予想されている。

世界の石炭貿易も、アジアの力強い成長に牽引され、過去最高を記録する見込みだ。

 

しかし来年からは、再生可能エネルギー容量の拡大に伴い、先進国を中心に石炭の使用量が減少すると予想される。

 

IEAによれば、再生可能エネルギーの利用拡大は、現在世界の石炭需要の半分以上を占める中国で特に顕著になると予想されている。

 

2026年までに、世界の石炭需要は2023年比で2.3%減少するとIEAは見ている。


全体として、IEAは、今後の石炭使用量のシフトは、以前の期間よりも重要かつ長期的なものになると予測している。

 

世界の石炭需要が減少したことは何度かあるが、それはソビエト連邦崩壊やコビッド19危機のような特別な出来事による短期的なものだった。

 

IEAのエネルギー市場・安全保障担当ディレクターである定森啓介氏は、「今回の減少は、クリーンエネルギー技術の強力かつ持続的な拡大によるものであり、より構造的なものである。

 

同アナリストは、国際的な気候変動目標を達成するためにはまだ多大な努力が必要だが、「石炭にとっての転換点は明らかに目前に迫っている」と指摘した。