ジカ熱とデング熱を媒介するトラ蚊がヨーロッパ北東部に進出しているため、パリの保健当局は初めてフランスの首都を処理した。
■フランス通信
【The Guardian】2023年9月1日(金)01.34 BST
パリの保健当局は、気候変動により北ヨーロッパに急速に進出していると考えられている病気を媒介するトラ蚊を駆除するため、フランスの首都の地域を初めて燻蒸した。
8月28日(木曜日)の早朝、パリ南東部では、害虫駆除業者が樹木や緑地など蚊が繁殖する場所に殺虫剤を散布したため、道路は閉鎖され、人々は家に留まるよう求められた。
このような光景は熱帯の都市では日常茶飯事であり、デング熱、チクングニア、ジカ・ウイルスを媒介するトラ蚊が原産地の東南アジアから広まるにつれ、ヨーロッパではますます一般的になりつつある。
「パリでは初めてのことですが、フランスで初めてのことではありません」と、保健政策を担当するアンヌ・スイリス・パリ副市長はBFMテレビに語った。
「南フランスでは何年か前からトラ蚊の被害を受けています」。
首都の地域保健機関であるARSイル・ド・フランスによると、燻蒸の対象となったのは、旅行中にデング熱に感染した首都13区の人の家の周囲150メートルだという。
「これらの作業は、デング熱患者が発見された後、デング熱感染のリスクを軽減するために実施されたものである。
8月28日(木曜日)から8月29日(金曜日)にかけて、パリ中心部の北東に位置するコロンブ郊外では、海外旅行から戻った2人目がデング熱に感染したため、2回目の燻蒸作業が予定されている。
市当局は、推定1200万人が住むパリ地方での感染の連鎖を防ごうとしている。
トラ蚊が外国からウイルスを持ち込んだ人を刺すと、その蚊が伝染病の媒介者となる。
イエネコとも呼ばれるこの蚊は、今世紀最初の10年間に南ヨーロッパに上陸し、以来急速に北上してフランス、ドイツ、スイスに定着した。
衛生専門家によれば、この害虫がヨーロッパ大陸で繁殖した理由のひとつは気候変動であり、温暖化によって卵の孵化期間が短くなる一方、冬は害虫を死滅させるのに十分な寒さではなくなっているという。
厚生省のデータによれば、2004年にフランスで初めて発見された後、現在ではフランス本土の96県のうち71県に生息し、北部海峡沿岸に近い地域にも生息しているという。
「公衆衛生機関Sante Publiqueのベクター媒介性疾患モニタリングユニットの責任者であるマリー=クレール・パティ氏は4月にAFPに語った。