欧米の大不況は近い - HSBC

早ければ今年中にも米国経済は縮小し、2024年には西欧経済もそれに続くとHSBCは警告している。

Getty Images / Guido Mieth

【RT】2023年6月28日

https://www.rt.com/business/578834-us-eu-recession-hsbc-warning/

 

イギリスの大手銀行HSBCは火曜日、アメリカは2023年の第4四半期に景気後退に入ると予測し、西ヨーロッパ諸国は早ければ来年にも景気後退に直面するだろうと付け加えた。

 

HSBCアセット・マネジメントが発表した今年半ばの見通しによると、株式市場や債券市場が財政・金融政策と「同期していない」ため、多くの国で景気後退への警戒感が「赤く点滅」している。

 

HSBCアセット・マネジメントのグローバル・チーフ・ストラテジスト、ジョセフ・リトルは報告書の中で、「経済の一部にはまだ回復力があるものの、リスクのバランスは現在高い景気後退リスクを指し示している」と述べた。

 

「私たちの中心的なシナリオは、欧米経済の景気後退であり、市場は困難で不安定な見通しです」とリトル氏は見通しを示し、その背景には2つの理由があると指摘した。

 

「第一に、急激な金融引き締めが信用サイクルの悪化を引き起こしている。第二に、市場は世界について特に悲観的な見方をしているようには見えない。

 

この警告は、粘り強いインフレが英国経済を蝕む中、イングランド銀行BOE)が過去15年間で最も高い水準となる5%への利上げに踏み切った1週間後に出された。

 

米連邦準備制度理事会FRB)は5月、主要金利を2007年以来最高となる5.25%まで引き上げると発表した。

 

同時に、欧州中央銀行(ECB)はユーロ圏の主要金利を3.75%に引き上げ、猛烈なインフレを抑制しようとした。

 

欧米の規制当局がタカ派的な論調を採用しているにもかかわらず、HSBCアセット・マネジメントは、米FRBが今年末までに金利を引き下げ、ECBとBOEが来年それに続くと予想している。

 

「景気後退は、インフレ圧力を一掃できるほど大きなものにはならないだろう。その結果、インフレと金利は長期的にやや上昇することになる」とリトル氏は結論づけた。