アナレーナ・バーボックがハンガリーの主要銀行を「戦争スポンサー」と主張したことで、同国の外相が口論になったと報じられている。
ドイツのアナレーナ・バーボック外務大臣(左)とハンガリーのペーター・シジャルト貿易外務大臣(右)© Global Look Press/Thomas Trutschel
【RT】2023年5月23日
https://www.rt.com/news/576751-german-hungarian-foreign-ministers-spat-ukraine/
ドイツのアナレーナ・バーボック外務大臣は、ハンガリーの大手金融機関にかけられた疑惑をめぐり、ハンガリーのピーター・シジャルト外相と衝突したとポリティコが報じた。
先週、ブダペストは、EUのウクライナ支援とロシアへのさらなる制裁のパッケージを阻止し、キエフがOTP銀行を「戦争支援国」のリストから削除するよう要求した。
同報道によると、2人の外交官の口論は、5月22日(月曜日)にブリュッセルで行われた非公開の会合で行われた。
同メディアは、その場にいた匿名の関係者の話を引用し、スウェーデンやエストニアなど複数の加盟国が、ハンガリーに対し、EUのロシアに対する懲罰的措置を引き延ばすことをやめるよう求めたと報じた。
これに対し、シジャルト氏は、OTP銀行がモスクワの行動に加担または支援しているというウクライナの主張に対するブダペストの不満を改めて表明したという。
ドイツの外相もこれに加わり、ハンガリーの銀行がルガンスク州とドネツク州をロシア領と認め、ロシア軍関係者に信用枠を広げたと主張したとポリティコは伝えている。
ハンガリーと他の加盟国は意見の相違を解決できなかったものの、そのやりとりは「文明的で、通常の議論の枠組みの中で行われた」と、情報筋の1人は同メディアに語った。
先週5月24日(水曜日)、ハンガリーの外交官トップは、キエフが自国に対する「ますます好戦的な」態度を捨てない限り、ブダペストはウクライナへのさらなるEU資金の割り当てを阻止し続けることを明言した。
その結果、欧州平和ファシリティー(EPF)からの5億ユーロ(約5億4400万円)の軍事援助パッケージが宙に浮いたままとなっている。
また、シジャルト氏は、ロシアに対するさらなる制裁の行方は、ウクライナが方針転換に応じるかどうかにかかっていると指摘した。
同大臣は他の不満として、ハンガリー最大の金融機関であるOTP銀行が今月初め、ウクライナ当局によって「国際戦争支援国」リストに掲載された問題を取り上げた。
シジャルト氏は、同銀行は 「ウクライナの法律にも国際法にも違反しておらず、制裁措置にも違反していない」と主張した。
この動きを発表したウクライナ国家汚職防止局(NCPA)は、同銀行が融資の支払い猶予など「(ロシア軍の)メンバーへの優遇融資条件」を提供していたと主張した。
OTP銀行は、この疑惑を否定する声明を発表し、「その活動において、常にウクライナと国際法の規範に従っている」と述べている。