アルゼンチンのビオセレス社は、ブラジリアが同社の小麦HB4株の栽培を承認したと発表した
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【RT】2023年3月5日
https://www.rt.com/business/572474-brazil-bioceres-gmo-wheat/
ブラジルの国家バイオセーフティ委員会は、アルゼンチンのアグリビジネス企業、ビオセレス社が製造した干ばつに強い遺伝子組み換え株であるHB4小麦の栽培、生産、販売を承認した、と同社と業界団体が今週発表した。
ビオセレス社は3月3日(金曜日)の声明で、ブラジルのCTNビオが「この技術にブラジル市場を開放した」と称賛している。
この菌株は、いわゆる標的環境において、収量を43%向上させるとされている。
干ばつに強い小麦の輸入を受け入れている国はいくつかあるが、ブラジルはこの改良株の栽培を許可した2番目の国である。
世界の多くの国で主食となっている作物の長期的な問題に対する懸念から、ほとんどの国がその遺伝子コードに手を加えることを控えている。
2021年、ブラジルは遺伝子組み換え小麦を使った小麦粉の輸入を承認し、当時唯一の国として承認された。
この作物に対する懐疑的な見方にもかかわらず、業界関係者は世論に基づき、遺伝子組み換え作物の概念を温めつつあるようだ。
ブラジルのパン屋、パスタ屋などの穀物製品メーカーを代表する業界団体アビマピは、当初遺伝子組み換え小麦に反対していたが、世論調査の結果、ブラジル人の70%が遺伝子組み換え小麦を含む食品を摂取してもかまわないと答えたことから、最近になって手のひらを返した。
ブラジルの製粉業界団体アビトリゴは、今回の承認は「さまざまな市場関係者に安心感をもたらす」としながらも、「最終的な判断は消費者に委ねられる」と述べている。
ブラジルがすぐに遺伝子組み換え小麦の栽培を開始する予定はなく、まだ多くの規制のハードルを通過していないが、同社はブラジルの信任投票を受け、遺伝子組み換え製品への関心が著しく高まることを期待している。
ブラジルとその隣国アルゼンチンは、南米産小麦の大部分を生産しており、旱魃(かんばつ)にもかかわらず、今シーズンは2千万トン以上の収穫が見込まれている。