EU、禁止措置開始前にロシア製ディーゼルを買えるだけ買って自国の対ロ制裁を弱体化させる

   Image: EU undermining its own sanctions against Russia by buying as much Russian diesel as it can before ban begins
【Natural News】2022年11月28日 BY:アルセニオ・トレド

https://www.naturalnews.com/2022-11-28-eu-buying-russian-diesel-before-ban-begins.html

 

EUは、ロシアの石油・ガス製品の購入禁止が始まる前に、手に入る限りのロシアのディーゼル燃料を購入することで、ロシアに対する独自の制裁を台無しにしている。

 

EUディーゼルをロシアの石油製品に大きく依存している。

ロシア産原油の禁輸措置は2月5日に開始されることになっており、その2カ月後である。

 

ディーゼル輸入禁止が実施される前に、欧州のバイヤーは冬を安全に越せると思われるレベルまで在庫を増やすことが使命となっている。

 

ロンドンのエネルギーコンサルティング会社ボルテキサのシニアマーケットアナリストであるパメラ・マンガー氏によると、11月1日から12日にかけてオランダとベルギーのアムステルダム-ロッテルダム-アントワープ(ARA)貯蔵地域向けのロシアのディーゼル積み荷は日量21万5千バレル(bpd)に増加した。

これは10月の同時期と比較して126%増となる。

 

「できる者はロシア産を買い、備蓄する。ガスから石油への切り替えが需要に加わり、冬用ディーゼルへの切り替えが進んでいる。これが、ロシア産が以前ほど安くない要因の一つだ」と、ある欧州のトレーダーはロイターのインタビューで指摘している。

 

 

■■ EUはロシアのディーゼルをどう代替するか考えなければならないだろう


市場調査会社リフィニティブによると、11月現在、欧州の道路用燃料輸入の約44%はロシアからのもので、10月の39%から大きく跳ね上がっている。

 

費用対効果の高い代替燃料がほとんどないため、EUはロシア産ディーゼルに依存し続けるしかない。

 

とはいえ、ロシアによるウクライナでの特別軍事作戦の勃発後、欧州大陸はロシアの石油からの切り離しに数カ月を費やしてきた。

 

2月以降、欧州のロシア産石油への依存度は50%以上低下したが、ロシアは依然として欧州大陸最大のディーゼル供給国である。


「エネルギーコンサルタント会社FGEの市場アナリストであるユージン・リンデル氏はロイターに対し、「EUはロシアの数量を置き換えるために、およそ50万から60万bpdのディーゼルを確保しなければならないだろう。

 

年間およそ5億バレルのディーゼルが船で運ばれており、その約半分がロシアの港で積み込まれている。

 

ロシアと同じように、十分な量のディーゼルを低コストで供給できる国は世界中にないため、この禁止令が発効すると、ヨーロッパがディーゼルの代替供給源を見つけるのは極めて難しくなる。

 

世界のディーゼル価格は、昨年の同時期に比べ、すでに70%上昇している。

 

さらに、欧州の国内ディーゼル生産量は、欧州大陸の需要を満たすには程遠い状況である。

 

欧州の主要製油所の操業停止により、350万B/Dのディーゼルが市場から消え、さらに悪化している。