【Natural News】2022年10月18日 BY:ケビン・ヒューズ
https://www.naturalnews.com/2022-10-18-hungary-serbia-building-pipeline-dodge-eu-sanctions.html#
ハンガリーとセルビアは、欧州連合(EU)がロシアの石油に対して課している制裁をかわすために、新しいパイプラインを建設することを計画している。
新しいパイプラインは、ブダペストとモスクワを結ぶドゥルジバ・パイプライン(別名フレンドシップ・パイプライン)に接続される予定だ。
ハンガリーのゾルタン・コヴァーチュ広報担当国務長官は、ツイートでこの発表を行い、特にEUによる新たな制裁を、ベオグラードと新たにパイプライン契約を締結した主な理由の1つとして挙げている。
コヴァチス氏は、セルビアのアレクサンダル・ヴチッチ大統領とハンガリーのヴィクトール・オルバン首相が「ハンガリーへの石油パイプライン建設に合意し、セルビアに安価なウラル原油を供給することができるようになる」と述べた。
ブダペストのスポークスマンは、「現在、同国の石油供給は、主にクロアチアを経由するパイプラインを利用しているが、制裁が採択されたため、将来的にこれが可能になるとは思えない」と付け加えている。
ハンガリーは、ロシアの石油に大きく依存していることから、エネルギー制裁に反対する数少ないEU諸国の1つとなっている。
今月初め、EUが第8弾の制裁を実施する前に、オルバン事務所は声明で制裁を支持しないことを宣言した。
「ハンガリーは欧州の結束を維持するためにすでに多くのことを行ってきたが、もしパッケージの中にエネルギー制裁があるならば、我々はそれを支持することはできないし、するつもりもない」と同事務所は発表している。
■■ 2021年、欧州の天然ガスの5分の2を供給したロシア
ロシア・ウクライナ戦争にもかかわらず、欧州大陸はロシアへのガス依存度を合わせても、わずか5%しか削減できていない。
これに対し、モスクワは2021年の欧州の天然ガス総消費量の40%に寄与している。
オルバン首相の指導の下、ハンガリーはモスクワに下されたEUの制裁に批判的であった。
首相は、制裁は 「欧州の政府がドミノ倒しのように崩壊しているため失敗した」と説明している。
中欧諸国は、制裁がエネルギー価格を跳ね上げ、大陸全土でエネルギー危機を引き起こしたと嘆いた。
また、セルビアへのガス供給が必要な場合は支援すると表明した。
オルバン氏によると、ハンガリーは消費量のほぼ5〜6カ月分のガスを備蓄しているという。
現在、セルビアはロシアからクロアチア、ハンガリーを経由するアドリア石油パイプラインで石油を調達している。
しかし、EUはモスクワへの制裁措置の一環として、ロシアの第三国向け海上原油輸送に原油価格の上限を設けている。
ハンガリーのシジャヤルト外相は、9月のEUエネルギー相緊急会合の数日前に、ロシアの天然ガスに対する欧州の価格上限を提案した結果、モスクワが欧州への供給を予期せず停止する可能性があると警告した。
コバックス氏は、セルビアとハンガリー、ひいてはロシアを結ぶ新しいパイプラインは、この地域のエネルギーインフラを拡大するというブダペストの長期目標の一部を成すものであると発言した。
一方、セルビアのエネルギー安全保障報告書は、ベオグラードがロシア国営ガス会社ガスプロムからの天然ガス供給に限定されており、唯一の供給元であると指摘している。
そのため、ルートの多様化と同様に供給元の多様化も重要であることを強調している。