(AP写真/Sebastian Scheiner、ファイル)
【PJMedia】by:リンカーン・ブラウン 2022年11月01日
国連は、イスラエルが核兵器を廃棄する必要があると決定した。もし本当に持っているならば。しかし、国連はイランについては何も言わない。
10月28日(金曜日)に行われた国連総会では、152対5の投票で、イスラエルに核兵器を廃棄させ、国境内にある核施設を国際原子力機関の監視下に置くよう求めることが決議された。
反対票は、米国、カナダ、イスラエル、ミクロネシア、パラオの5カ国であった。23カ国と欧州連合は棄権した。
Foxニュースによると、イスラエルは核兵器を保有しているとの説が有力だが、確認されたことはない。
一方、イランは着々と核開発を進め、兵器に使用可能なウランの実現に遠く及ばない。
エルサレム・ポスト紙は、記事に 「イスラエルは核兵器保有を認めなかったが、それにもかかわらず、国連総会決議はイランではなくイスラエルに向けられた」という小見出しをつけた。
記事は、「エジプトがニューヨークの国連総会に提出した年次決議は、パレスチナ自治政府とバーレーン、ヨルダン、モロッコ、アラブ首長国連邦を含む19カ国がスポンサーとなった」と述べている。
また、この決議は、イスラエルが核不拡散条約に署名していない事実を想起し、同国がすべきこととしている。
核兵器の開発、製造、実験、その他の取得を行わず、核兵器の保有を放棄し、安全が確保されていないすべての核施設を、地域のすべての国の間の重要な信頼醸成措置として、また平和と安全を高めるための措置として、機関の保障措置の全範囲に配置すること。
また、同紙は、第1委員会で中東にいわゆる「非核地帯」を設ける決議が採択されたことも報じている。
ここでも、イスラエルのミハエル・マーヤン国連副大使以外は、イランで何が行われているのかに関心を示さなかったようである。
これは何度も繰り返される決議であるため、何の変哲もないものと考えたくなるかもしれないし、そうかもしれないと思う。
イスラエルは「持っていない」と言う。イランは無視される、来年また会おう。
しかし、10月にジュネーブで開かれた国連人権理事会の47人のメンバーのことも考えてみよう。
ガーディアン紙によれば、国連人権委員会の委員が書いた、中国の大規模な虐待と「人道に対する罪」さえ非難する報告書について討論を持とうとする米国の動きを、理事会は19対17の投票で拒否したという。
複数のイスラム諸国が支持を拒否し、メキシコも賛成していたが、中国に迫られたため、辞退した。
表向きはウイグル族を支援しているインドネシアでさえ、最終的には議論の呼びかけを拒否した。
中国の影響力の大きさだけでなく、国連の気概のなさも示している。
そして、国連の優先順位がどこにあるのかを示しているのだろう。