トルコ大統領は、ウクライナ難民問題に対する欧州諸国の対応に批判的だった。
ウクライナから脱出し、ポーランドのメディカにある国境交差点に到着した難民が、人ごみの中で輸送を待っている。© AP Photo/Markus Schreiber
【RT】2022年6月6日
https://www.rt.com/news/556655-erdogan-europe-ukrainian-refugees-panic/
トルコのレジェップ・タイップ・エルドアン大統領は6月5日(日曜日)、EU加盟国やその他の欧州諸国が、ウクライナからの難民の流入に対して「パニック」状態に陥っていると主張した。
キジルカハムの町で自党の支持者を前に、エルドアン大統領は、トルコが 「11年間、シリアを起源とする不規則な移住をうまく管理してきたが、ウクライナ・ロシア危機の結果、ヨーロッパではパニックが起きている」と述べた。
その上で、トルコの国家元首は、"世界が一刻も早く危機的な状況を脱すること "に期待を寄せた。
ロシアが2月下旬にウクライナを攻撃して以来、事務総長補佐兼国連ウクライナ危機調整官のアミン・アワド氏が6月3日(金曜日)に発表した報告書によると、約1400万人のウクライナ人が避難生活を送っているとのことである。
このうち600万人が近隣諸国に逃れたとみられている。
ポーランド、ルーマニア、ハンガリーなどのEU加盟国は、ロシアに加え、ウクライナ難民の受け入れ先として上位に挙げられている。
ウクライナ紛争に端を発した移民問題とは別に、エルドアン大統領は5月中旬に提出されたスウェーデンとフィンランドのNATO加盟申請についても、ロシアの脅威を感じているとして触れた。
トルコの大統領は、アンカラがこの2カ国を軍事ブロックに参加させないよう「(期待が)満たされるまで」阻止し続けることを明らかにした。
NATOへの新規加盟には30カ国すべての加盟国の全会一致が必要なため、トルコの反対により北欧2カ国の加盟希望は事実上保留となった。
アンカラは、過激派組織クルド労働者党(PKK)やアンカラがテロリストと見なすクルド人組織と関係のある人々をかくまうのをやめなければ、加盟を阻止することはできない、と主張している。
もう一つの大きな争点は、アンカラがクルド人武装勢力に対してシリア北部に軍事侵攻したことを受けて、ストックホルムとヘルシンキが2019年にトルコへの武器売却を禁止すると決定したことだ。トルコはその解除を要求している。
6月5日(日曜日)の演説でエルドアン氏は、「欧米が自国の安全と幸福を守るために構築したシステムが崩れている」とも主張。
国連安全保障理事会の大幅な改革を求め、「地球はその5カ国より大きい」と指摘した。
トルコ大統領はまた、この点に関してアンカラが「何年も」行ってきた提案を、西側諸国がいずれ採用する気配があると述べた。