シゲ子の憂うつ

サブ子とヨシ子が生まれた陰で、シゲ子に不幸が訪れた。

うちの母ヤギチャコだけの現象なのかもしれないが、新しく子ヤギが生まれるとそれ以前の自分の子どもを激しく攻撃するようになる。その日から手のひらを返したように頭突きして小屋からも追い出しにかかる。特にメスヤギの子を敵対視して攻撃する。

昨年11月に生まれたシゲ子(8か月)が今回その犠牲になっている。小屋が広いので中で住み分けはできるものの、シゲ子はつい3日前までは母ヤギのチャコにべったりのマザコン少女だったし、シゲ子にしてみれば子ヤギの誕生など晴天の霹靂、ショックだっただろう。

サブ子とヨシ子が生まれた日、さみしくて旦那の足に隠れるシゲ子。

今、3日が過ぎ、なんとなく小屋での共存はできているが、日中はもうチャコと一緒にいることはなくシゲ子は一人ぼっち。
子ヤギは1匹か2匹で生まれるが、双子の場合は相棒がいて母ヤギに攻撃されても心強いし大きくなってもずっと仲が良いが、シゲ子は1匹で生まれたのでそういう存在がいない。

母ヤギだけでなく兄弟姉妹でも、一緒に生まれた兄弟姉妹(双子)以外は攻撃されるし、後で生まれた子ヤギは当然、先のより小さくて弱いからやっぱり無用に近づくと「あっち行け!」とばかりに追い払われてしまう。

だけどシゲ子もこの3日で気持ちも切り替わったのか、あまり変化なく日がな一日、草を食べており、それまで通りの様子には見える。