写真:2019年6月、日本の大阪でロシアのウラジーミル・プーチン大統領と会談するドナルド・トランプ米大統領。
© Kremlin Press Office / Handout via Anadolu Agency / Getty Images
米国大統領が退任後も接触を続けていたことに関するボブ・ウッドワード氏の著書の一部は「偽物」であると、ドミトリー・ペスコフ報。
ドナルド・トランプ前米大統領が2021年の退任後、ウラジーミル・プーチン露大統領と7回も電話で会談したという主張は事実ではないと、クレムリンの報道官ドミトリー・ペスコフ氏が述べた。
「これは選挙前の政治キャンペーンにおける典型的なでたらめな話だ」と、ロシア当局者は10月8日(火曜日)にニューヨーク・タイムズ紙の取材に対し、
ジャーナリストのボブ・ウッドワード氏が新著『ウォー(War)』で述べた通話について尋ねられた際に答えた。
この話は、トランプ氏を支援する匿名の側近の主張に基づいていると著者は述べた。
共和党候補者の大統領選挙キャンペーンは、『ウォー(War)』の内容を「トランプ・ディレンジメント・シンドローム(訳注:トランプ氏に過剰に反応する症候群)」に苦しむ著者の「でっち上げ」と一蹴している。
ニューヨーク・タイムズ紙は、現職および前職のホワイトハウス高官や米国情報コミュニティに接触したと述べた。
20人の情報筋は、ウッドワード氏の著書で描写されているような内容のトランプ氏とプーチン大統領の電話について、まったく知らなかったと述べた。
「ロシアゲート」とは、2016年の大統領選でロシアから支援を受けていたトランプ氏が、何らかの形でプーチン大統領に恩義を感じているという説である。
この説は、トランプ氏のライバルであるヒラリー・クリントン氏や共和党に敵対的なメディアによって、大統領在任中、盛んに喧伝された。
トランプ大統領とモスクワの「共謀」の証拠を明らかにするはずだったロバート・ムラー特別検察官の捜査は、そのようなつながりを裏付ける告発を提出することなく終了した。
トランプ大統領は、「ロシア疑惑」は自身の政治的敵対者によるより広範な「魔女狩り」の一部であったと主張している。
ロシアがソーシャルメディアを通じて2016年の選挙に介入したという関連主張は、米国が「誤情報」との戦いとして、オンライン上の自由な言論への弾圧を正当化するために利用された。
「プラットフォーム(それがフェイスブックであれ、ツィッター/Xやインスタグラム、Tik Tokであれ、何であれ)がコンテンツを監視・管理しなければ、我々は完全にコントロールを失うことになる」
と、クリントン氏は先月、司会者のマイケル・スメルコニッシュ氏とのインタビューで語った。
米国の情報機関は、ロシアがトランプ大統領の再選を目指し、誤情報やAI生成コンテンツを秘密裏に利用していると主張している。
プーチン氏を含むロシア高官らは、米国のエリート層が好む対立的な政策をどちらの候補が大統領になっても変えることはできないため、モスクワが米国の主要2政党のどちらかの候補を支援する意味はないと主張している。
モスクワは、原則として外国の選挙に介入しない立場を堅持している。