ヨーロッパの飲料水が "永遠の化学物質 "に汚染される NGO

【Insider Papar】時事通信 2024年7月11日 6時10分

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欧州の飲料水の大規模なサンプルから、農薬や冷蔵に使用される「永遠の化学物質」に関連する物質が検出されたと、非政府組織(NGO)連合が7月11日発表した。


これは、欧州農薬行動ネットワーク(PANヨーロッパ)とそのメンバーが5月に行った先行調査に続くもので、ヨーロッパの河川、湖沼、地下水から「憂慮すべき」レベルのPFAS化学物質が検出された。


化粧品、こびりつきにくいフライパン、消火器など、日用品に広く使用されているPFAS長寿命物質は、分解に何世紀もかかる耐久性の高い製品である。


EU11カ国のボトル入り飲料水と水道水から採取されたサンプルからは、TFA(トリフルオロ酢酸)が検出された。


TFAの主な発生源は、特定の合成農薬や、冷蔵・空調の冷却ガスなどに使用されるPFASの分解である。


PFAS、特にTFAの人体への影響の可能性は高まっているが、「毒性学的研究は驚くほど少ない」とPANヨーロッパは述べている。


ドイツのカールスルーエにある水技術センターが検査したサンプルでは、水道水36サンプルのうち34サンプルからTFAが検出され、ボトル入りのミネラルウォーターと湧水19サンプルのうち12サンプルからTFAが検出された。


水道水のTFA値は「検出不能」から4,100ナノグラム/リットルまであり、平均は740ng/Lであった。


ミネラルウォーターと湧水では、TFAの値は「検出されない」から3,200ng/L、平均278ng/Lであった。


PANヨーロッパは、オランダ国立公衆衛生・環境研究所が提案した2,200ng/Lという基準値を支持した。


この基準値は「飲料水の摂取が1日の耐容摂取量の20%しか満たさないように設定されている」とPANヨーロッパは述べた。


この基準値は、オーストリアのミネラルウォーター(4,100ng/L)、パリの水道水(2,100ng/L)で超過している。


EUの規則では、2026年からすべての飲料水はすべてのPFASについて500ng/Lを超えてはならないことになっており、NGOはTFAをリストに加えるよう要求している。


EUの農薬規制においてTFAを「非該当」とした以前の決定は、その「毒性学的プロファイルがまだ多くの疑問を残している」ことを考慮すると、「遺憾である」と5月の報告書は述べている。


ウサギとTFAの暴露に関する最近の研究では、子孫に先天性異常が確認され、この化学物質に対する深刻な懸念が高まっている。


PANヨーロッパは、この「政治的失敗」に対処するため、PFAS農薬の「迅速な禁止」と、TFAのような個々の化学物質がもたらす脅威についての再考から始める、緊急の介入を求めている。