2022年12月1日木曜日、ワシントンのホワイトハウス南側芝生で行われた国賓到着セレモニーで、エマニュエル・マクロン仏大統領を迎えるジョー・バイデン大統領。(AP Photo/Patrick Semansky)
【REMIX】2024年4月8日 ペテル・G・フェヘール著 via ハンガリーニュースレター
https://www.rmx.news/commentary/macron-cannot-go-against-the-us/
フランスはEUのリーダー的存在になったかもしれないが、アメリカの意向には逆らえない、とハンガリー人コラムニストのペテル・G・フェヘールは書く。
フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、ウクライナを支援するために軍隊を派遣すると声高に発表し、その後、同盟国の間で賛否が分かれた当初の発言を、日に日に「ニュアンス」を強めていった。
ウクライナに2,000人のフランス軍を派遣するというアイデアは笑い話になった。結局のところ、フランス軍は100万人のロシア軍と対峙することになる。
ナポレオンの軍隊がロシアを打ち負かすことに成功しなかったことは注目に値するが、マクロンはナポレオンではない。となると、フランス軍を前線に派遣することは理論的な可能性にすぎないということになる。
ここでフランス大統領の動機を詳しく見てみると、彼の「壮大な」戦略ビジョンはウクライナを助けることからはほど遠いことが明らかになる。
マクロンは、欧州の外交政策を掌握する歴史的な機会を得たと考えたのだ。イギリスはもはや共同体のメンバーではなく、ドイツはますます弱体化し、経済的にも苦境に立たされている3党連立政権が統治している。2つのライバルは "排除 "された。
フランスは依然としてEU最強の国家である。マクロンの野望はEU共同体の外交政策のリーダーになることだ。フランス大統領の計画の背後には、今やEUでフランスだけが保有する大量破壊兵器である核兵器がある。
マクロンの外交ビジョンの最も重要な要素は、EUが米国と距離を置き、同時に中国と公正な関係を築くことである。
これはまた、ブリュッセルが現在の全面的な米国の影響力から、完全ではないにせよ、徐々に離れていくことを意味する。現在の米国指導部のメンタリティを知れば、これは背中を刺されたように映るだろう。
しかし、マクロンは日本の安倍晋三元首相のケースを忘れているようだ。
晋三は北京とワシントンの間のバランスを保とうとした。彼の物議を醸す政策は、ワシントンで深刻な憤りを引き起こした。安倍晋三が首相を辞任した後、日本の著名なコメンテーターである司馬南はこう言った。
東京が中国との経済関係から利益を得ながら、同時に北京にもワシントンにも罪を犯さないことを望むなら、このバランス政策はもはや不可能である。
実り多い「中国との関係」が多くの人に嫌われているのは事実である。中国経済が日本を凌駕し、政治的・経済的冷戦が再び激しくなっていることを考えれば、それも無理はない。
アメリカがウクライナに軍隊を派遣するつもりがないことが明らかになった今、マクロン大統領はアメリカ抜きではこのような冒険はできないと理解しているようだ。
しかし、ブリュッセルにワシントンと距離を置かせ、北京と緊密な関係を築かせようとするフランス大統領の計画もまた、うまくいっていないことを意味している。