【Natural News】2024年2月27日 ローラ・ハリス著
欧州連合(EU)の破壊的な農業政策や気候規制、生産コストの高騰、規制の緩やかな国々からの安価な輸入品に対し、ヨーロッパ全土で数千の農家が抗議の声を上げている。
ベルギー、チェコ共和国、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、イタリア、ラトビア、リトアニア、オランダ、ポーランド、ルーマニア、スロバキア、スペインから集まった農民たちは、EU圏全域からデモに参加している。
EUの首都ブリュッセルでは、数千人の農民がEUの主要施設の外で機動隊と衝突した。機動隊はデモ参加者と彼らが持ち込んだ900台以上のトラクターに対して放水銃を使用した。
マドリードでは、農民が官僚主義の削減と共通農業政策(EUの農業を管理する主要な政策プログラム)の見直しを求めた。
ポーランドでは、ウクライナからの安価な商品の流入がポーランドの農業労働者の収入に打撃を与えていることに抗議し、農民がドイツとの国境にある重要な高速道路を封鎖した。
フランスでは、エマニュエル・マクロン大統領の農業労働者に対する約束が実現されていないことへの不満から、大規模な農業見本市であるパリ国際農業ショーで農民が抗議行動を起こした。
農民を代表する国際組織、ラ・ヴィア・カンペシーナのモルガン・オディ総調整官は、ブリュッセルで彼らの不満を伝えた。
彼女は、自由貿易協定、規制緩和、生産コストを下回る価格の影響について議論した。
「私たちは食料を生産しているのに、生活が成り立たない。それはなぜか?自由貿易協定のせいだ。規制緩和のせいだ。価格が生産コストを下回っているからだ。だから私たちはEUにこの問題を解決するよう要求しているのです」とオディは語った。
農家は、化学物質の使用や温室効果ガスの排出を厳しく制限することを提唱するグリーン・ディールは、生産コストを上昇させるだけだと主張している。
その結果、ウクライナやラテンアメリカのような、高い環境基準を遵守していない非EU加盟国や第三国からの低価格輸入品よりも、農産物の価格が高くなるだけだという。
彼らは、こうした低コストの輸入品は不当に競争し、農産物の価格に悪影響を及ぼすと主張している。
ホドニン・ホリックとして知られるチェコとスロバキアの国境交差点で続いている抗議行動のひとつでは、農民たちがチェコ共和国、スロバキア、ポーランド、ハンガリーの農相を招いた。
抗議の一環として、スロバキア農業食糧会議所のアンドレイ・ガイドス代表は、彼らの抗議は 「EUによる間違った決定に反対するもの」であることを明らかにした。
専門家によれば、現在進行形でエスカレートしている農民の抗議行動は、ヨーロッパにおけるより大きな問題の一部である。
現在進行形でエスカレートしている抗議行動は、ヨーロッパにおけるより大きな問題の一部である。
2020年、EUは欧州グリーン・ディールを承認した。
これは、2050年までにEUを気候ニュートラルにすることを目指す一連の政策イニシアティブである。
ブリュッセルは、食料、輸送、エネルギーシステムを変革することによって排出量を削減することを計画している。
しかし、グリーン・ディールは、気候変動規制による経済的負担、生産コストの上昇、安価な輸入品との競争激化への不満から、何万もの農家による大規模なデモを引き起こした。
さらに農民たちは、このディールが特に農業部門をターゲットにしていることを懸念している。
戦略国際問題研究センターの世界的な食料安全保障の専門家であるケイトリン・ウェルシュは、グリーン・ディールの結果について説明した。
「より厳しい気候規制を農家に課すということは、コストが発生し、そのコストはどこかで負担しなければなりません。そのコストが農家に課されるのであれば、農家は生産量を減らすことになる。農家は抗議するだろう。農家は抗議するでしょう。」
さらに、コーネル大学の農業経済学者クリストファー・バレットは、商品価格の下落と投入コストの上昇により、世界の農家はかなりのストレスを受けていると述べた。
その一方で、政府はより環境に優しい生産方法を求めて、直接的な農業補助金からのシフトを強めている。
「ヨーロッパでもここアメリカでも、農家は政治的な攻撃を受けていると感じるようになっている。当然のことながら、農家はそれを懸念しています」とバレットは言う。