エジプト、ラファ難民流出のためシナイ砂漠に8平方マイルの壁囲いを建設 

ラファで避難するパレスチナ人(ロイター通信より)

【ゼロヘッジ】タイラー・ダーデン著 2024年2月16日金曜日 - 午前10時20分

https://www.zerohedge.com/geopolitical/egypt-erects-8-square-mile-walled-enclosure-sinai-desert-rafah-refugee-spillover

今週初めの記者ブリーフィングで、イスラエル国防軍参謀総長のヘルジ中将は、「100万人以上の人口と、さらに1万人のハマス工作員がいる環境で戦うことは、我々にとってより困難であることは承知している」と述べた。

 

国連の推計によれば、戦前の人口の6倍以上となる約150万人が、この極南部の都市に詰め込まれている。エジプトは現在、危機が国境を越えて波及することを恐れており、イスラエルによる大規模な地上攻撃が間近に迫っているとの懸念の中、ガザからの難民を物理的に締め出すために、大きな壁で囲まれた施設を建設しようと急いでいる。


エジプト当局は、少なくとも何人かのガザ人がエジプトに入ることを想定して、国境近くのシナイ砂漠に8平方キロメートルの壁に囲まれた囲いを建設していると発表した。

 

これは、予測される難民の大群をシナイ砂漠に封じ込めるための 「プランB」のようなものだが、エジプト国内への出入りの自由は認めていない。

 

ウォール・ストリート・ジャーナル紙にると、これは軍が警備する大規模なキャンプで、10万人以上がそこに定住する可能性があるという。

 

エジプトは数週間前から、パレスチナ人を締め出すために国境沿いの警備を強化し、兵士や装甲車を配備し、フェンスを強化してきた。この巨大な新施設は、もし大勢のガザ人が侵入してきた場合の非常事態計画の一環である。

 

エジプト当局によれば、このキャンプには10万人以上が収容できるという。キャンプはコンクリートの壁に囲まれており、エジプトの入植地からは遠く離れている。まだ組み立てられていないテントが大量に運び込まれているという。

 

イスラエルベンヤミン・ネタニヤフ首相は、エジプト国境にあるパレスチナの都市ラファでハマスと戦う必要があると述べており、エジプト政府関係者は、数週間以内にイスラエルによる大規模な攻撃が行われる可能性があると考えている。

 

しかし当局者によれば、エジプト国境警備隊は、それでもキャンプに入ってくる難民の数を5、6万人程度に制限しようとするだろうとのことだ。

 

イスラエル軍によるラファ包囲が予想通りに起こり、ガザ地区住民に他に行くところがなくなったと仮定すると、このエジプト人キャンプは、ヨルダン、シリア、レバノンに長く存在する同様の入植地と同様、次の恒久的なパレスチナ難民キャンプになる可能性が高い。

 

イスラエルによるガザでの数ヶ月間の作戦の後、すでに大規模なテント村が出現している。

 

一方、ハマスイスラエルは停戦に近づいていない。2月15日(木曜日)には、バイデン政権が実際には和平に関心がなく、イスラエルの意思決定がタカ派的になる一方で沈黙を守っていることを強く示唆する新たな報告書が発表された。

 

アクシオスによれば、イスラエルベンヤミン・ネタニヤフ首相は先週、トニー・ブリンケン国務長官に、米国がパレスチナ国家を直接あるいは間接的に承認すれば、「10月7日の大虐殺を計画し画策した者たちへの褒美になる」と語ったと、イスラエル政府高官2人がアクシオスに語った。

 

アメリカによるこのような承認は、イスラエルとの直接交渉の結果としてのみパレスチナ国家を提唱してきた数十年にわたるアメリカの政策を変えることになる。

 

イスラエル政府は、もしそうなれば、パレスチナ国家を受け入れるようイスラエルに圧力をかけることになると懸念している。

 

あるガザンの避難民は、WSJで次のように引用されている。

 

「すでにエジプト国境にいる人もいるし、爆撃が激化すれば、直接シナイに行くだろう。最悪の決断だ」