EUは気候変動から兵器に重点を移す


2023年12月6日、ウクライナで軍事訓練中のウクライナ兵。(AP写真/エフレム・ルカツキー)

2024年2月1日【REMIX NEWS】VILÁGGAZDASÁG著

https://rmx.news/defense/eu-shifts-focus-from-climate-to-weapons/

2040年までに現在の気候目標を達成するには、EU全体で年間1.5兆ユーロの投資が必要   


欧州連合EU)では気候変動規制への抵抗が強まっており、ロシアとウクライナの間で長期化する戦争に伴い、世界各地で紛争が相次いでいる。

 

その結果、加盟国は経済の 「グリーン化」に背を向け始め、代わりに国防投資に力を入れ始めている、とハンガリーのビジネスニュースサイトVilággazdaságが報じている。

 

国家予算が逼迫する中、加盟国は国内イノベーションのためのEU基金を100億ユーロから15億ユーロに削減し、防衛プロジェクトにのみ使用できると規定し、グリーン技術や気候保護への投資は除外するとしている。

 

同時に、世界最大の貸し手である欧州投資銀行(EIB)は、EU圏の武器庫を強化するため、より多くのプロジェクトに融資するよう、かなりの圧力を受けている。

 

ベルギーのヴァンサン・ヴァン・ペテヘム財務相は、「コロナウィルスの流行後、気候変動やデジタルへの投資は活況を呈したが、経済問題や近隣諸国での戦争を含む地政学的緊張の高まりにより、焦点は他に移っている」と述べた。

 

グリーン・トランジションは依然として優先事項であり、2026年まで利用可能な8000億ユーロの欧州主権基金がこの資金需要を部分的にカバーする一方で、ヴァン・ペテヘム財務相は「戦略的自治、競争力、防衛」に新たな焦点が当てられていると述べた。

 

欧州委員会が新たな資金調達スキーム「欧州のための戦略的技術プラットフォーム(STEP)」の創設を発表し、それを通じて100億ユーロの追加資金が気候保護プロジェクトに割り当てられることになった。

 

一方、気候関連の支出は依然として多いが、ブリュッセルによれば、2040年までに温室効果ガス排出量を90%削減するためには、毎年1兆5,000億ユーロの投資が必要と見積もられており、まだ低すぎるという。