農民の抗議でドイツ政府崩壊に近づく

2024年1月16日【REMIX NEWS】ジョン・コディ著

https://rmx.news/economy/farmer-protests-bring-german-government-closer-to-collapse/

ドイツの左派政権、農民の抗議行動で崩壊に近づく

 

ドイツでは、デモに参加した農民たちとともに、トラック運転手や工場労働者たちも、ベルリンで1月15日(月曜日)に行われたデモの会場に車を走らせ、同国の与党政府への怒りを表明した。

 

ベルリン警察は、5,000台以上のトラクターやトラック、数万人の人々が市内中心部に到着したと推定している。

 

「私たちは道路通行料とディーゼル燃料の値上げを阻止したい。さらに、既存の補助金を維持するために闘っています」と、ある農家のフーベルトゥス・クルップは参加理由を尋ねた。

 

深刻な経済問題、予算の崩壊、移民とエネルギー価格の暴騰、そして現在進行中の連立紛争。こうした圧力の多くが、1週間以上にわたる農民のデモに拍車をかけており、デモが終わっても、これらの問題がなくなることはない。


実際、多くの点で、農民の抗議行動と彼らの継続的な要求は、ドイツ政府にとって終わりの始まりを意味するかもしれない。

 

社会民主党のオラフ・ショルツ首相がこしらえたSPD緑の党自由民主党の連立に対する国民の支持は、この2年間で事実上崩壊し、最大の勝者は反移民の「ドイツのための選択肢」(AfD)で、支持率は2倍以上になった。

 

左翼政権はもちろん、ジェンダープロパガンダでは非常にうまくやっているが、産業政策やエネルギー政策などのより深刻な問題になると、アイデアが尽きている。

 

11月の憲法裁判所の判決でドイツの予算が完全に破綻したことで、ショルツの悩みはさらに深まった。

 

政府が農民たちに犠牲を求める一方で、首相と閣僚たちは総額2億ユーロもする高級ヘリコプター3機の購入を推し進めている。


1型ウ13日(土曜日)のビデオメッセージで、ドイツ首相は冷静さと協力を呼びかけた。ショルツ首相は、良い妥協が成立し、農民の懸念は考慮され、農民に向けられた緊縮財政案の一部は撤回されたと述べた。

しかし、デモ参加者はこれに同意せず、抗議行動を継続すると発表した。

 

緑の党の農業大臣セム・エズデミルは、政府の失敗の数々から注意をそらすための努力だと批判し、政府転覆の空想で民主主義が腐っていくのを見たい「極右の人物」に警告を発した。

 

自由民主党のクリスチャン・リンドナー財務相は、抗議する農民に社会に対する責任を思い出させた。「引き返せ、道を踏み外したのだ!」

 

社会民主党SPD)のサスキア・エスケン党首は、連立政権に対するCDU野党の批判を 極めて危険と呼んだ。

 

しかし、これだけの暴言にもかかわらず、ドイツ人の大多数、70%近くが農民の抗議行動を支持しているという。さらに、ドイツ人の3人に2人が早期選挙と新政権を望んでいる。

 

ドイツ政府は崩壊するのか?世論調査だけでも、ショルツが連立政権を最後まで維持する理由のひとつとなっている。

 

最も弱いのは引き続きFDPで、連立パートナーに足を引っ張られ、世論調査ではもはや議会入りの最低条件である5%を得られないところまで落ち込んでいる。同党は最近、連立にとどまるべきかどうかの党員投票を行ったが、党員は僅差で連立継続を支持した。

 

しかし、ショルツ政権がこれほど弱体化したことはない。FDPを率いるリンドナー党首は、ある時点で連立解消を決断するかもしれない。

 

ありそうもないシナリオに思えるかもしれないが、農民は強力な政治勢力であり、左派・リベラル政権に対する国民の認識という点では、ラクダの背を折る藁になるかもしれない。