2024年1月14日、ダボスで開催された第4回国家安全保障顧問会議(NSA)で、ウクライナの和平方式について発言するスイス連邦評議員のイグナツィオ・カシス氏、世界経済フォーラム(WEF)創設者のクラウス・シュワブ氏、ウクライナ大統領府のアンドリー・ヤーマク長官。
NSAの会議は...GIAN EHRENZELLER/POOL/AFP via Getty Images
【Breit Bart】カート・ジンドゥルカ 2024年1月14日
世界経済フォーラム(WEF)の年次総会に先立ち、スイスのダボスで開催されたいわゆる平和サミットで、ウクライナの当局者らは、モスクワが占領地をすべて返還するまでロシアとの戦争を継続することを誓った。
1月14日(日曜日)にスイスのダボスで開催されたダボス会議では、「ウクライナの永続的で公正な平和のための」方式について話し合うため、各国や国際機関の代表81人が参加した。
ロイター通信によると、バイデン政権からは、ペニー・プリツカー米ウクライナ経済復興特別代表やジェームズ・オブライエン米国務次官補(欧州・ユーラシア担当)ら米政府高官が出席した。
ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は、週明けに開催される世界経済フォーラムで演説する予定だが、会談にはウクライナ大統領府のアンドリー・イェルマク室長が代理として出席した。クレムリンからの出席者はいなかった。
会談後、イェルマク氏(写真上、右)は、自国とロシアとの間の停戦という考え方を否定し、それはモスクワが将来またウクライナを攻撃するために軍備を強化することを許すだけだと主張した。
「停戦は平和への道ではない。ロシアは平和を望んでいない。彼らは支配を望んでいる。だから、選択肢は簡単だ。負けて消滅するか、勝って生き続けるか。私たちは戦っている」とイェルマクはテレグラムの個人チャンネルに書いた。
「国際法とウクライナの領土保全が回復されなければ、世界のどこの侵略者でも、明日にでもどこかの国の一部を占領し、そこで偽の選挙を行うことができる。ウクライナが求める平和は、ウクライナの生存、完全性、主権、発展を保証するものでなければならない。そして侵略の再発を防止しなければならない。私たちはともに、そのような平和を実現するための包括的な枠組みを作り上げた。その要素は密接に連動しており、これが唯一の道なのです」とイェルマクは続けた。
ゼレンクシー顧問はさらに、過去2年間の戦争におけるウクライナ軍の成功を称え、2022年2月以降にロシアが掌握した全領土の50%を奪還したと述べた。
しかし、この主張は技術的には正しいかもしれないが、現実には、そのような膨大な領土がロシアによって保持されたのは、紛争が始まった当初、数日から数週間だけであり、その後は紛争はほとんど静観され、ウクライナが奪還に成功したのは、モスクワの支配下にある数万平方キロメートルに比べ、数十平方キロメートルに過ぎない。
ロシアが撤退し、ウクライナの1991年の国境が回復するまでは、クレムリンとの交渉に入ることすら検討しないとゼレンスキー政権は主張している。
新年の演説で、ゼレンスキーはこの立場をさらに強め、「クリミア、ドンバス、ルハンスク地方、ベルニャンスク、メリトポリ、マリウポリ」がロシアの占領から解放されるまでウクライナは戦うと誓った。
また、ウクライナがアメリカ主導のNATO軍事同盟への加盟を希望し続けていることも、交渉の重要なポイントになるだろう。
ウクライナがNATO軍事同盟への加盟を希望していることは、モスクワが2年前に侵攻を開始した正当な理由であり、ロシアにとって存立危機事態になるとしている。1月14日(日曜日)、ゼレンスキー大統領はNATOに加盟する意向を改めて表明した。
ダボスでの会談に先立ち、ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は、国営通信タス通信によれば、ゼレンスキー大統領が提案した和平の方式は「ロシアに対する一連の最後通牒」に過ぎないと断じた。
「彼らは我々に解放された地域から撤退するよう強制し、祖国との再統一に投票したロシア国民をウクライナのナチスのなすがままに置き去りにしようとしている。彼らはわが国を法廷に引きずり出し、西側の銀行にある合法的な資産を差し押さえようとしている。そのような最後通牒は、交渉開始の土台を築くことはできない」と彼女は述べた。