イスラエル、ハマスのトンネルを氾濫させる - WSJ

メディアにガザ市地下のハマス・トンネルを示すイスラエル軍兵士(2023年11月22日) © AP / Victor R. Caivano

【RT】2023年12月13日

https://www.rt.com/news/589000-israel-flood-hamas-tunnels/

人質の命が危険にさらされているにもかかわらず、同国政府はこの作戦を静観していると報じられている。

イスラエル軍がガザ地下にあるハマスの地下トンネル網に海水を注入し始めた、とウォール・ストリート・ジャーナル紙が報じた。イスラエル当局は、100人以上の人質の命を危険にさらし、ガザの水源を汚染しかねないこの作戦についてコメントを拒否している。

 

イスラエル軍は先月、強力なポンプをガザに運び込んだ後、トンネルを水浸しにする実験を始めたと、同紙は12月12日(火曜日)、アメリカ政府関係者の話を引用して報じた。

 

ガザの地下にある何百マイルものトンネルと地下壕を完全に水浸しにするには、数週間かかると予想される、と同紙は報じている。

 

イスラエルのヨアヴ・ギャラント国防相のスポークスマンは、トンネルに関わる軍事作戦は機密事項であるとして、コメントを拒否した。

 

しかし、ヘルジ・ハレビ参謀総長は先週、地下ネットワークへの浸水は「良い考えだが、具体的な内容についてはコメントしない」と述べた。

 

■■’「無差別爆撃」で支持を失うイスラエル - バイデン氏

 

この戦術はイスラエル国内でも論争になっている。ハマスの捕虜となっている約140人の人質の親族は、トンネルを水没させることで愛する家族が危険にさらされることを恐れている。

 

ヘブライ語のニュースサイトYnetが先週公開した音声記録によれば、イスラエルベンヤミン・ネタニヤフ首相との会談で、解放された人質は、浸水は残された者にとって死刑宣告になると訴えた。 

 

水浸し作戦について質問されたジョー・バイデン米大統領は12月12日(火曜日)、「どのトンネルにも人質はいない」という "主張 "を聞いたと主張した。

しかし、それが事実かどうかはわからない」。

 

しかし、アメリカ政府関係者は、大量の海水を地下に汲み上げることで、ガザの限られた淡水資源が汚染されるのではないかという懸念を示している。

 

パレスチナ水庁によれば、イスラエルとの紛争以前、ガザの飲料水の約90%は地下水井戸から供給されていた。

 

残りは地元の海水淡水化プラントと廃水プラント(燃料がなければ稼動できない)とイスラエルのパイプラインから供給されているが、イスラエルは10月7日のハマスの攻撃直後にこれを遮断した。


イスラエルの立場からすれば、地下に軍隊を送り込んで武装勢力ブービートラップに直面させるよりも、トンネルを水で満たす方が望ましい。

 

イスラエル軍はガザ北部のガザ・シティの大部分と南部のカーン・ユーニスの一部を支配しているが、「問題はハマスが地下に潜ろうとしていることだ」と元イスラエル軍情報部長のアモス・ヤドリンはウォール・ストリート・ジャーナル紙に語っている。

 

イスラエルが占領した地域でも、「地下(の劇場)が課題であり続けている」と元イスラエル大佐のミリ・アイシンは同紙に語った。